【ロッテ】井口監督、今季の目標は「勝率1位で優勝」…単独インタでチーム立て直しプラン語る

スポーツ報知
ファンサービスをするロッテ・井口監督(カメラ・生澤 英里香)

 ロッテ・井口資仁新監督(43)がこのほど、スポーツ報知の単独インタビューに応じ「脱・下克上」を宣言した。チームは05年と10年にリーグの勝率1位を逃しながらも日本一に輝いたが、新監督は今季の目標を「勝率1位で優勝」に設定。プロ野球では過去に現役引退即、監督に就任し、勝率1位でリーグ制覇をした指揮官はいない。昨季は球団ワースト87敗で最下位。日本人メジャー選手として初のNPB監督に就任した指揮官に、チームの立て直しへ向けた展望を聞いた。(取材、構成・長井 毅)

 現役引退した昨シーズン後に監督に就任。長打力不足を補うために機動力を生かした「1点を取る野球」を掲げた井口監督は、チームで140盗塁をノルマに設定した。その根拠はどこにあるのか。

 「チームで1試合に1個なら140盗塁は超える。ワンバウンドでスタートしたり、隙があれば先の塁を狙う、盗塁の数だけじゃないところはある。走らなくてもいい選手はいない」

 自身はダイエー時代の01年に44盗塁で盗塁王。03年に打率3割4分、27本塁打、42盗塁で惜しくも「トリプルスリー」を逃したが、走攻守3拍子を備えた選手だっただけに「足」へのこだわりも強い。

 「走る選手が核になる。打つのは別として、接戦で1点を取れるかどうかが一番のカギ。長打で点が入ればベストですけど、なかなかそういう試合はない。何とか競り合って点を取って勝っていく。荻野には50盗塁してもらいたい。盗塁王を目指してますから。中村は「サーティー・サーティー(30本塁打、30盗塁)が狙える選手だと思ってます」

 選球眼もナインに求めている。昨季の四球はパ・リーグ最少の387個。1位のソフトバンクとの差は101個ある。選手には「四球は安打と同じ価値」と説いてきた。

 「金森さん(1軍打撃コーチ)が口酸っぱく『低めのボール球を振るな。ストライクゾーンを上げて打て』と言っている。去年の四球数はリーグ最低。打てないなら出塁率をあげていくしかない。四球数は上位にいかないと勝てない」

 ダイエー時代は王貞治監督、メジャーではWソックスのオジー・ギーエン監督の影響を受けたが、目指すのはあくまで自分流だ。

 「理想の監督像というのはない。自分のスタイルを作り上げる。選手を信頼して力を精一杯発揮できるような采配をしたい。それに対応するのが理想です」

 両監督は自身が「ついて行きたい」と思えた監督だったという。共通点は対話を重視し、お互い信頼ができる関係だったところ。井口監督も選手との信頼関係を築くため、ある方策を打ち出した。

 「開幕戦から監督室を開放します。監督の立場になっても選手のロッカーに行ったりしたいと思いますし、『お茶でも飲みたかったら監督室に来い』と言うつもりです。シーズンに入れば食事にも誘うと思います」

 今季のチーム目標は1970年以来、48年ぶり(前後期制を除く)の勝率1位でのリーグ優勝だ。

 「チーム自体が長い間、勝率1位の優勝から遠ざかっている。勝率1位の優勝を目指して戦っていきたい」

 球界ではこれまで巨人・高橋監督ら8人が現役引退即、監督に就任。04年の西武・伊東監督が勝率2位からリーグ制覇した例があるが、同1位→優勝の例はない。“井口流の”チーム改革で半世紀ぶり&史上初の快挙を狙う。

 ◆井口 資仁(いぐち・ただひと)1974年12月4日、東京都生まれ。43歳。青学大から96年にダイエーを逆指名しドラフト1位で入団。2005年にWソックスに移籍し世界一を経験。フィリーズ、パドレスを経て、09年にロッテで日本球界に復帰。13年に日米通算2000安打を達成した。日本では盗塁王2度、ベストナインとゴールデン・グラブ賞を3度ずつ受賞。日米通算2408試合に出場し、8353打数2254安打で打率2割7分、295本塁打、1222打点、224盗塁。178センチ、91キロ。右投右打。既婚。

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