【日本ハム】石川直、恩師・吉井コーチ誕生日に贈る5セーブ目

スポーツ報知
1点差を逃げ切り鶴岡(左)とタッチをかわす石川直

◆日本ハム2―1ソフトバンク(20日・札幌ドーム)

 日本ハムの石川直也投手(21)が、悪夢を払拭(ふっしょく)する5セーブ目を挙げた。18日の西武戦(メットライフ)では8、9回で8点差を逆転される史上初の屈辱。1点差の9回に逆転サヨナラ打を打たれた新守護神は、この日も2死一、二塁のピンチを作ったが、0点に抑え試合を締めた。20日は指導を受ける吉井理人投手コーチの53歳の誕生日。“恩師”に復活のセーブとチームの本拠地初白星をプレゼントした。

 石川直の執念がこもったボールはフェンス直前でグラブに収まった。9回2死一、二塁。川島に捉えられた打球はセンター右へ飛んだ。抜ければ、2日前の悪夢が再び…。打球を、センター・西川ががっちりとつかみ取るのを見届けるとふっと白い歯がこぼれた。新守護神が今季本拠地初勝利を締めくくった。

 冷や冷やだった。1死からグラシアルに左前打を許した。鶴岡の盗塁阻止で2死としたが、8、9番に連続四球。悪夢がよみがえりかけた。18日の西武戦で今季初めて負け投手に。もうあの悔しい思いをしたくないと、込めたのはありったけの闘志。帽子までびっしり染みた汗がその証拠だった。「彼の闘志はベンチまで伝わって来ていたよ」。見守った先発・マルティネスも安心して待てた。

 クローザーとして成長する日々だ。トラウマになりかねない18日から、間を空けずに厳しいマウンドに送った栗山監督。「ああいう状況の中で最後しっかり投げきったことに意味がある」と言い切った。またこの日は吉井投手コーチの53歳の誕生日。同コーチからは日頃「サファテになれ」とソフトバンクの名守護神の名前を出され、期待をかけられている。信頼される守護神へ、21歳が一つ階段を上った。(秦 雄太郎)

野球

×