【西武】雄星、8回5失点も開幕4戦4勝

スポーツ報知
8回2死満塁、適時打を打った井上(右)の折れたバットが足に当たり転倒する菊池(カメラ・川口 浩)

◆西武9―8ロッテ(20日・メットライフドーム)

 西武の菊池は、飛んできたバットが足に当たる不運にも負けず、8回5失点で開幕から4連勝を飾った。エースのド根性に刺激を受けて、打線は8回、代打・栗山の決勝タイムリーなどで一挙6得点。チームは逆転で本拠地7連勝とした。

 簡単にはマウンドから降りたくなかった。菊池が“ド根性”を見せた。アクシデントは3―3の8回2死満塁で起きた。井上の打ったバットが折れて、一塁ベースカバーに入ろうとした雄星の右膝にワンバウンドして当たった。しばらく立ち上がれずベンチに下がった。井上の打球は一時勝ち越しを許す右前2点打となった。「痛みはありましたけど、あとアウト1つでしたし」。気迫で続投し、その後は点を与えず。その裏、チームは一挙6点を奪って逆転した。最速153キロ、108球を投げ8回5失点。07年の西口(現投手コーチ)以来となる開幕投手が開幕から4戦4勝だ。

 故障に泣かされてきた。期待された入団1年目は、左肩痛を発症し1軍登板なし。それ以降も何度か負傷離脱を経験した。レオ軍団をリードするエースへと独り立ちした今、簡単に下がるわけにはいかない。ベンチで心配する首脳陣へ「大丈夫っす。大丈夫っす」と志願して再びマウンドに上がった。

 初回に中村、4回に井上にソロを浴びた。「(どちらも)2死からでしたし、抑えなきゃいけないところでことごとく取られた。情けないっすね…」。いつもの2日前に加え前日19日にもブルペン入り。「実戦に近い強い真っすぐがいっていた」と仕上げてきた。勝ったが、納得した表情は浮かべなかった。

 チームは本拠地で開幕から7戦7勝。73年の太平洋時代に本拠地・平和台で7連勝して以来だ。貯金を9とし首位を独走。スタンドには米大リーグ8球団のスカウトが熱視線を送った。辻監督は「(8回に)雄星の負けが消えて、勝たせてやろうとなったんだろう」と野手をたたえた。「野手に助けてもらった。次こそは自分のピッチングでいい流れをもってきたい」とエース。魂の投球は、見ているみんなに伝わったはずだ。(小林 圭太)

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