【中日】ドラ1鈴木博がプロ1勝!初の回またぎなんの「ワクワクした」

スポーツ報知
プロ初勝利を挙げ、森監督に祝福された鈴木博

◆中日4―3広島(21日・ナゴヤドーム)

 中日が連日の逆転劇で広島を下して2連勝。8回途中から4番手として登板したドラフト1位・鈴木博志投手(21)がプロ初勝利を挙げた。

 「頑張れ頑張れヒ・ロ・シ!」―。右翼席のコールに武者震いした。「ヤバかったですね。興奮して球が上ずりました」。出番は同点の8回2死二塁。打席に同姓の鈴木誠也を迎えた場面だった。1ストライクから、この日の最速タイ151キロの剛球で空振りを奪って簡単に追い込むと、ラストは外角低めに鋭く切れるカットボールでバットに空を切らせた。

 その裏、モヤの来日1号の勝ち越しソロが飛び出すと、鈴木博は9回もマウンドへ。田中、菊池、丸の「タナキクマル」をあっさり3者凡退に仕留めて、捕手の松井雅からウィニングボールを受け取った。これでデビューから8試合、8回1/3を無失点。初めてイニング途中からの登板だったが「ワクワクした」と強心臓ぶりを見せつけた。

 3月18日、開幕前のファン交流イベントで森繁和監督(63)は「1年目ですから2イニングとかそういうことは言わない。その代わり全試合でも投げさせます」と、ジョーク混じりながら、鈴木博を1イニング限定で起用する方針を示していた。だが、想像を超えるパフォーマンスを目にして前言を撤回した。

 「若さのある投手を使っていきたい。苦しい展開で使えば、彼も(救援に成功すれば)いい方向にいくだろうし、チームにも勢いがつく」。前日まで2連投の田島を、延長戦を見越して温存しておきたかった側面もあるにせよ、今後は鈴木博との“Wストッパー態勢”で柔軟に起用していく可能性を示唆した。

 森監督はルーキーと勝利のハイタッチを交わした際に「やっとシャンパンを空けられるな」と言葉をかけた。3月22日、金の卵の21歳の誕生日に自らプレゼントしたモエ・エ・シャンドンの「ネクター・アンペリアル・ロゼ」のことだ。市価約8000円の美酒を選手寮の自室に飾っていた鈴木博は「きょう空けます。飲んだら、きょうのことは忘れて気持ちを切り替えます」と笑った。

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