【日本ハム】高梨、91球省エネ完投で今季初勝利「奇跡ですね」

スポーツ報知
今季初勝利を挙げ、ハイタッチをする高梨(左は清水)

◆日本ハム4―1オリックス(25日・札幌ドーム)

 日本ハムの高梨裕稔投手(26)が、待望の今季初勝利を挙げた。25日のオリックス戦(札幌D)で今季4度目の先発マウンドに上がり、6安打1失点完投勝ち。2点リードの8回1死二、三塁のピンチにも、気迫の投球で逆転は許さなかった。前回18日の西武戦(メットライフ)では、7回無失点の好投も勝利には恵まれず。本拠地での雪辱の舞台で、チームを2位に押し上げる力投をみせた。

 心の底からホッとしたような笑顔を浮かべ、高梨はお立ち台に上がった。「本当にうれしい。北海道のみなさんの前で1勝を挙げられてよかったです」。6安打1失点完投勝利。今季4度目の登板にして、ようやく手にした初勝利の味を、じっくりとかみ締めていた。

 気迫が違った。初回から140キロ台後半の直球を主体に攻めの投球。2点リードをもらった直後の8回には、1死二、三塁のピンチを背負うも、高梨は「勝負どころ。ギアを上げた」。犠飛で1点を許すも後続を断った。わずか91球での省エネ投球に、右腕も「91球? 奇跡ですね」と笑みがこぼれた。

 悔しさをぶつけた。前回先発した18日の西武戦では7回3安打無失点の好投。勝利投手の権利を得て8点リードでマウンドを譲るも、リリーフ陣が終盤に逆転を許した。スタンドで観戦していた両親に今季初勝利を届けるはずが、まさかの大逆転負け。失意から、誰よりも早く球場を後にした。

 ただ、すぐに気持ちは切り替えた。「辛抱強く投げていれば、いつか勝利はつく」。数時間後には両親と食事に出かけて気分転換。次戦での雪辱だけを見据えて調整してきた。栗山英樹監督(56)も「とにかく点を与えてはいけないプレッシャーの中で我慢してよく投げてくれた」と、右腕の力投を手放しで喜んだ。

 16年の新人王も昨季は7勝7敗と苦しんだ。「ここ2年間、中継ぎに助けられているので。長いイニングを投げて(救援陣を)少しでも助けられたかなと思う」。苦しんでつかんだ今季初勝利は、大きな1勝になるはずだ。(清藤 駿太)

野球

×