【ソフトバンク】1996安打の内川をナインが「サイレント・トリートメント」で祝福

スポーツ報知
4回無死、左越えに2号ソロを放った内川

◆ロッテ1―3ソフトバンク(1日・ZOZOマリン)

 ソフトバンク・内川が2試合連発の2号ソロを含む2安打をマークし、史上51人目の2000安打達成へ、残り4本とした。2回先頭で中前打で出塁し、先制のホームを踏むと、4回先頭では左翼越えへアーチを描いた。1試合4安打以上をプロ通算で22度マークしている安打製造機が、敵地で一気に決める可能性が出てきた。

 湿りがちだった内川のバットから快音が響いた。1点リードの4回。先頭で石川の142キロの高め直球を力強く左翼スタンドへたたき込んだ。2試合連続の2号ソロ。「何とかしないとと、必死でバットを振りました」。気持ちを込めた一撃だった。

 だが、そんな内川にチームメートは“洗礼”を浴びせた。誰もベンチ前で祝福せず、素知らぬ顔を決め込む「サイレント・トリートメント」。発案者は川島だ。前日(4月30日)のオリックス戦(京セラD)の6回。左越えソロを放ち、主力野手で今季1号を放ったのが最後だった内川を“いじる”プランが浮上したが、負け試合だったため次のチャンスをうかがっていた。

 静寂の後、ベンチに内川が座ったのを合図に一瞬で歓喜の輪ができあがった。「みんなを心配させてたんだな。調子を上げないと申し訳ない」と心遣いに主将は感謝。工藤監督は「ウッチーが苦しんでいて、少しでも盛り上げてあげようという気持ちが出ていた」と目を細めた。

 2000安打へ残り25本で迎えた今季。早期達成も期待されたが3、4月は打率2割1分1厘と低迷し、6本を残して5月に入った。「過剰に意識した部分はあった」と重圧も感じた。だが、月が替わって心機一転。ロッテ先発・石川を昨年、6打数4安打、1本塁打と得意にしたことも追い風になった。「1打席目のヒットが2打席目のホームランにつながった」。2回先頭で中前打し、松田の先制打を呼び込んだ。1本出たことで気持ちに余裕も出た。

 残り4本といよいよ秒読み。5安打した16年9月以来、プロ23度目となる4安打以上なら2日に達成する。「早く2000安打を達成して純粋に日本一を目指したい」。力を込めた内川の偉業達成が間近に迫っている。(戸田 和彦)

 ◆サイレント・トリートメントとは 本塁打を放った際、本来は他のナインがベンチ前で出迎えハイタッチなどで祝福するが、あえてベンチに座ったまま無関心を装う。メジャーでは初アーチを祝福する儀式で、4月3日(日本時間4日)にエンゼルス・大谷がメジャー初本塁打を放った際、エンゼルスナインが行い日本でも話題に。4月8日の巨人―ヤクルト戦(神宮)で巨人・大城がプロ初アーチを放った時にも行われた。

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