【ソフトバンク】摂津、618日ぶり勝った!…5回ゼロ封!お立ち台で涙止まらず

スポーツ報知
2年ぶりの勝利を挙げ、お立ち台で涙を見せる摂津(カメラ・岩下 翔太)

◆ソフトバンク5―3西武(22日・福岡ヤフオクドーム)

 ソフトバンク・摂津が今季初登板でチーム打率リーグトップの西武を5回0封。16年9月11日の西武戦以来となる白星を挙げた。

 618日ぶりとなる白星に、感情があふれた。今季初先発の摂津が、5回3安打無失点でうれしい1勝目。「声援がありがたかったです。感謝しています」。普段は寡黙な35歳だが、お立ち台で涙が止まらなかった。

 粘りに粘った。5回全てで先頭打者を出し、5四球と苦しい投球。昨季6度先発し未勝利に終わった2012年の沢村賞右腕は、代名詞のシンカーにカーブ、さらに最近習得したフォークも駆使し連打を許さなかった。「筑後での『頑張れ』『1軍で待っています』という声が原動力」と声を詰まらせた。

 復活の陰に、中日・松坂の存在があった。昨季までチームメートだった右腕の苦悩を、ファーム生活で見ていた。「よく話をさせてもらっていた。あれぐらいの人だったら普通、もういいだろうとなるのに」。ソフトバンク時代の松坂は右肩の回復のため、なりふり構わず全国各地を行脚。摂津は「どんな形でも投げて抑えてやろう、という姿勢がすごい」と怪物の絶対に諦めない姿に、刺激を受けていた。

 今季最長だった連敗を4で止め、首位西武に4連勝。ゲーム差も3・5に縮めた。工藤監督も「見事に踏ん張って点を与えなかった」と、ご満悦だった。ローテーションの都合で登録を抹消されるが、背番号50の復活は頼もしい限りだ。

 「生まれてから勝ってなかったんで。死に物狂いで投げました」。16年10月に誕生したまな娘へ贈る初の記念球。ズボンの左ポケットを膨らませながら、来月1日で36歳になるパパは誇らしげに球場を引き揚げた。(嶋田 直人)

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