【稲葉監督 侍チェック】西武・森、打てる捕手&外野手とマルチ「ありがたい」

スポーツ報知
2回2死三塁、左前へ先制の適時打を放つ森

◆ソフトバンク5―12西武(24日・福岡ヤフオクドーム)

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)が24日、2020年東京五輪金メダルに向けて、ソフトバンク―西武戦から12球団視察をスタートした。解説以外では異例となる全球団視察を「稲葉監督 侍チェック」と題し、全8試合に帯同。第1回は西武・森を、貴重な強打の捕手プラスアルファの視点で追った。

 「今日は秋山選手ですね。私が代表監督になって、『1』を大事にしている。代わった投手の初球、1スイング目でホームラン。4安打にも縁を感じる」。侍主軸の西武・秋山にうなりながら、稲葉監督はDHで出場した森に目を光らせた。先制の左前適時打に、ダメ押しの左中間適時二塁打。「打てる捕手は、すごくありがたい」。侍トップチーム未招集の強打の捕手に、熱い視線を注いだ。「各ポジション、打順を含めて、ある程度、自分の中で構想しながら見ている」と語るなかでも、攻撃型の捕手は有力なオプションになり得る。

 指揮官は目指す野球スタイルとして「基本的には投手を中心とした守り勝つ野球」を掲げる。守備を最優先にするため、現時点で正捕手の筆頭候補にはソフトバンクの強肩・甲斐が挙がる。

 森はタイプが異なり、持ち味は打力。西武では5番をはじめ強力打線の看板を背負う。同じ「打てる捕手」に「日本ハム・近藤もいる」と名前を挙げたが、今季はまだ開幕からマスクをかぶっておらず、その点で森は貴重な存在。攻撃型オーダーでのスタメンはもちろん、代打や、得点が欲しい展開での途中からのマスクに、緊急時の外野守備も可能だ。

 ベンチ入り選手はWBCでは28人だったが、東京五輪では08年北京と同様に24人とみられる。「人数が少なくなりますので、なおさら3番目の捕手は、打てる選手がいると、ありがたい」。捕手3枠の有効活用は、チーム力の厚みに直結。五輪でこそ、森のような強打のマルチ捕手は重宝する。

 複数の役割を担うユーティリティー型では、二盗から先制のホームを踏んだ右翼・外崎は内野が本職。逆転弾の秋山に、連続長打を浴びせた右の主軸コンビの浅村、山川と「調子がいい選手が多い。全体的にバランスが取れている」。五輪のキーマンたちが首位・西武の原動力になっている。(山崎 智)

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