【阪神】才木、6回0封でチーム31年ぶり巨人戦先発プロ1勝

スポーツ報知
巨人を相手に力投する先発の才木

◆阪神9―1巨人(27日・甲子園)

 人生初のお立ち台で喜びをかみ締めた。「憧れの場所。この場所で投げて、インタビューしていただけるのはすごくいいものです」。才木がプロ2度目の先発で、チーム打率リーグトップの巨人打線を手玉に取った。6回2安打無四球の無失点でプロ初勝利。阪神の投手が先発で巨人相手に初勝利を挙げるのは、1987年の猪俣隆以来31年ぶりだ。

 剛球で押し込んだ。初回先頭・坂本勇への初球は147キロ直球がボール。それでも迷わず、2球目からも直球を6球続けた。9球目を左中間へ運ばれて二塁打とされたが、盗塁死もあり、無失点で切り抜ける。初先発だった20日の中日戦では先頭の京田に直球を右前に運ばれ「あれで慌ててしまった」と反省。この日は女房役の長坂と「直球で打たれてもいいからどんどん行こう」と打ち合わせ、攻める姿勢を貫いた。

 最速152キロを計時した速球のルーツは、無名の須磨翔風高時代にある。中尾修監督は「入学した時はふにゃふにゃ。投手としても学年で4番手くらい」と回顧するが、才木は細身の体を鍛えるため、自主参加の朝練で毎日タイヤを押して背筋や足腰を追い込んだ。けがで一時中断したが、恩師も「(けがさえなければ)いつまでもやったんじゃないか」と認めた練習の虫。母・久子さんが早朝4時起床で用意した5合の米もかき込み、体を大きくしてプロの扉を切り開いた。

 巨人を甲子園で3タテするのは4年ぶり。今季初の5連勝で5月の勝率5割以上も確定し、ナイターで敗れたDeNAを抜いて2位に浮上した。金本監督も「投手コーチから、もう1回チャンスをということだった。見事に期待に応えてくれました」とご満悦。聖地で大きな一歩を記した19歳は「エースと呼ばれる投手になりたい」と高らかに宣言した。(長尾 隆広)

 ◆才木 浩人(さいき・ひろと)

 ▼生まれ 1998年11月7日、兵庫・神戸市出身。19歳。189センチ、80キロ。右投右打。年俸600万円。独身。

 ▼球歴 神戸市立王塚台中学から、3歳上の兄と同じ市立須磨翔風高へ進学。甲子園出場はなく、2年春の兵庫県大会ベスト4が最高。3年夏は2回戦で報徳学園高に敗れた。16年ドラフト3位で阪神入団。

 ▼トラックマン 球団関係者によると、球の回転数はチームトップクラス。

 ▼趣味 読書。高校時代は野球選手やトレーニング系の本をよく読んだ。高校の文化祭では漫才を披露とおちゃめな一面も。

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