【オリックス】吉田正、阪急初優勝の地&復刻ユニで全3打点「印象に残る一日」

スポーツ報知
ロッテに勝利し、ブレービー(右)と一緒に敬礼のポーズをする(左から)吉田正、山本(カメラ・義村 治子)

◆オリックス3―2ロッテ(27日・京都)

 オリックスが阪急黄金期に準フランチャイズとしたわかさスタジアム京都(旧・西京極球場)でロッテに競り勝ち、交流戦前最後の試合を勝利で締めた。吉田正が先制7号2ラン&勝ち越し決勝打で全3点を叩き出す活躍。1967年に球団史上初優勝を決めた球場で阪急の復刻ユニホームを身にまとい、オールドファンを喜ばせた。5月は13勝9敗で月間の勝ち越しも決定。借金を1に戻した。

 左翼スタンド場外を阪急電車が横切り、右翼スタンドからは阪急時代の応援歌が流れるなか、吉田正が試合を決めた。2―2の8回2死一、二塁。2ボール1ストライクから、シェッパーズの高めに浮いた変化球を振り抜いた。打球は飛び付いた二塁手の左を抜け、二塁走者の後藤が生還。吉田正は「(自身に対する投球が)ちょっと浮いてきてみえたので、(ストライク)ゾーンを上げて」と狙い通りの勝ち越し打を決め、一塁上で右拳を突き上げた。

 初回1死一塁の第1打席では「1打席目を大切にしている。しっかり自分のスイングができた」と、自画自賛の先制7号2ランをオールドファンが待つ右翼スタンドに運んだ。1967年に球団初の優勝を決めた球場で、阪急時代のユニホーム(85~88年のビジターモデル)を着用して臨んだ一戦。隣県の福井で93年に生まれた若き大砲は「このグラウンドも初めて。(阪急の優勝決定の球場とは)知らなかったです」と頭をかいたが、歴史好きなこともあり「こういう活躍をして、印象に残る一日でした」と喜んだ。

 全3打点を叩き出した吉田正に、福良監督も「きょうは正尚につきると思います」と賛辞を惜しまず。チームも借金を再び1まで減らし、3位のソフトバンクに0・5差へと迫った。5月は昨季6勝19敗だったが、今季は13勝9敗で月間の勝ち越しも決定。リーグ優勝10回を重ねた阪急時代をほうふつとさせる巻き返しを見せている。

 現在は禁止されている紙テープを投げるファンも詰めかけるなか、お立ち台に上がった吉田正は「交流戦、優勝目指して頑張ります」と、本格的な逆襲を宣言。黄金期の阪急ナインが何度も勝利の美酒に酔った京都でつかんだ白星。交流戦で大暴れする準備は整った。(原島 海)

 ◆阪急と「西京極」 オリックスの前身球団・阪急は本拠地の西宮球場に加え、西京極球場(現・わかさスタジアム京都)を準本拠地として使用した。同球場で開催された1967年10月1日の東映(現・日本ハム)戦で初優勝。西本幸雄監督が宙を舞った。パ・リーグが前後期制だった76、79年にも同球場で後期優勝。88年にオリックスとなってからの公式戦開催は2015年7月以来、約3年ぶりとなった。

野球

×