【日本ハム】9年ぶり6点差逆転!首位・西武3タテで最大6差からついに1差

スポーツ報知
10回1死一、二塁、近藤の中越え2点適時二塁打で生還し、ナインに迎えられる大田(右)(カメラ・清水 武)

◆西武8―10日本ハム(27日・メットライフドーム)

 2位・日本ハムが首位・西武を相手に最大6点差をひっくり返して逆転勝利。同点の延長10回1死一塁では、大田の三ゴロによる二塁封殺プレーに、栗山監督がリクエストによるリプレー検証を要求。指揮官の“神の目”によって見事に判定が覆り、直後に近藤の決勝打が飛び出した。西武に3タテを食らわせ、ゲーム差は1に接近。29日からの交流戦ではいきなり巨人と東京Dで激突する。

 しぼみかけた好機を“神の目”がよみがえらせた。同点の延長10回1死一塁。大田が放った三ゴロで、一塁走者が二塁で封殺されたプレーに対し、栗山監督が動いた。二塁のベースカバーに入った、二塁手・浅村の右足の離塁が早いのではないか? 指揮官の目はほんの一瞬の出来事を正確に見極めていた。リクエストによるリプレー検証の結果、判定は覆って1死一、二塁で再開。直後、近藤が決勝の中越え2点適時二塁打を放って、勝負を決めた。

 チーム全体で共有された意識が、勝負どころで生きた。今年の春季キャンプでは、リクエストの導入を見越して併殺時の野手の動きをビデオで撮影。中島が「自分たちも気をつけている。キャンプから行っていたので」と話すように、大田が一塁を駆け抜けた直後に選手たちが指をさしながら猛アピールした。指揮官は「俺が行こうと思ったら、選手たちがもう言ってた。みんなの勝ちたいという気持ちが一つになって、勝ちにつながっている」と目を細めた。

 諦めない姿勢が、大逆転を生んだ。先発の有原が初回に6失点したが、2回に打者9人の猛攻ですぐに4点を奪い返した。4、7にも1点ずつ返すと、8回にはレアードの左中間への9号2ランで同点に追いついた。決勝打を放った近藤は「全員でつないでいった結果。僕だけじゃなくて、みんなでつかんだ勝利」と胸を張り、栗山監督は「みんなが諦めない気持ちで野球をやっていた。それが一番」とナインの頑張りをたたえた。

 先発全員安打&全員得点での逆転勝利。日本ハムの6点差逆転勝ちは09年7月30日のロッテ戦(千葉マリン)以来9年ぶりだ。首位・西武に最大6ゲームあった差は1まで縮まった。4月18日の同戦で最大8点差を逆転されてサヨナラ負けしたリベンジを果たし、29日からは交流戦に臨む。「必死になってやるしかない。なんとか交流戦で勢いをつけられるように」。指揮官は勝ってかぶとの緒を締めた。(小島 和之)

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