【中日】松坂、見タカ!柳田KK斬り…古巣を手玉 5回3安打1失点で3勝目

スポーツ報知
4回2死二塁、松坂(左)と対決し、空振り三振を喫した柳田(カメラ・義村 治子)

◆日本生命セ・パ交流戦 中日5―4ソフトバンク(8日・ナゴヤドーム)

 松坂の気迫が柳田を上回った。「彼を打たせると勢いづかせてしまう。抑えられて良かった」。1点を先取された直後の2回2死満塁、外角低めの直球で見逃し三振。同点の4回2死二塁も切れ込むカットボールで空振り三振に仕留めた。

 相手は昨季まで在籍したソフトバンク。「(意識は)あったと思います。『いつも通りにいかないと』と思ってる時点で意識してたんでしょうね」。3年間で公式戦には1試合しか投げられなかった古巣相手に5回3安打1失点の“恩返し”。不死鳥のようによみがえった姿を見せ、5月20日阪神戦以来の3勝目を挙げた。

 5回の投球の直前、左でん部がつった。その回は3者凡退に抑えたが、104球を投げていたこともあり続投は諦めた。しかし、要所を締める松坂らしさを発揮した。得点圏に走者を背負った場面では8打数無安打。唯一の失点は2回1死満塁、塚田の二ゴロ野選だった。今季は走者得点圏で43打数5安打の被打率1割1分6厘。5安打のうち4安打は二塁走者が三塁で止まっており、許した適時打は、初登板だった4月5日の巨人戦の初回、得点圏2打数目でゲレーロに打たれた1本だけ。以降は41打数連続でタイムリーを浴びていない。この日も4四球は与えたが、9残塁させた。

 前回の5月30日のオリックス戦は1―0の6回で降板。3番手の鈴木博が逆転され、松坂の勝利も消えた。降板後、悲痛な表情で謝罪したルーキーに、松坂は、ひと言「どんまいける!」。しかし、十数年前に流行したお笑いタレント・まいけるのギャグは、21歳にはピンと来なかった。後日、大いにスベった“事件”を報道陣に追及された37歳の大ベテランは「いやあ、過ぎた話なんでね…」と、ジェネレーションギャップを恥ずかしがった。

 その鈴木博が同様に1点リードの8回を無失点で切り抜けると「ナイスピッチング」とグータッチを求めた。松坂の魂の投球は竜ナインのハートに響き、5月27日以来の連勝。最下位から脱出して4位に浮上した。(田中 昌宏)

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