【阪神】“糸井劇場”8回アプローチ誤り適時三塁打献上も…9回に同点弾で交流戦初のドロー

スポーツ報知
9回無死、糸井は左中間に同点ソロを放つ

◆日本生命セ・パ交流戦 阪神3―3オリックス=延長12回規定により引き分け=(21日・甲子園)

 勝てば文句なしだった。糸井の全身から悔しさがにじみ出た。6投手をつぎ込んだ延長12回を戦い抜き、決着は初の引き分け。厳しい表情のまま、クラブハウスへ進んでいった。「よく追いついたので。前向きに捉えましょうか」と言ったのは金本監督。痛い星を落とさずに済んだのも、超人の存在があったからだ。

 1点を追う9回の初球だった。日本ハム時代の同僚、守護神・増井の145キロを完璧に仕留めた。着弾点はバックスクリーン左。起死回生の同点ソロを運んだ。6年連続で2ケタ本塁打をクリア。今季ワーストの借金4、5位転落の危機を救った。

 同点に追いつかれた8回2死二塁では、吉田正の打球に頭上を越された。1点勝負の場面で前進守備。低く、鋭いライナーへのアプローチをやや誤り、一時は勝ち越しとなる三塁打にしてしまった。「変にかばうわけではないけど、難しい打球だと思う。ホームで刺してやろうと。前へ前へと気持ちが出るから」。同じ外野出身の指揮官は本能的な動きによるミスをフォロー。直後の一撃は、せめてもの償いだったはずだ。

 一昨年まで在籍したオリックスとの“関西ダービー”は1勝1分け1敗。6勝11敗1分けと苦しかった交流戦もひと区切り。22日からは首位・広島との3連戦(甲子園)でリーグ戦が再開する。4番・ロサリオの不在を感じさせず、何をやっても絵になる看板選手。“糸井劇場”には、勝敗を度外視した楽しみもある。

(長田 亨)

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