【阪神】金本監督、チルドレンへ愛のムチ「だいぶ育成に回ったのでそろそろ補強に…」

スポーツ報知
試合終了後、中日・森監督(右)に挨拶する金本監督

◆中日2―3阪神(13日・ナゴヤドーム)

 ナゴヤドームでの中日・阪神の最終戦はお別れムード一色になった。11日に電撃辞任が発表された阪神・金本監督は、冗談交じりに「補強のススメ」をしながらも若手の成長に期待を寄せた。また、森監督が退任する中日は、歴代最多407セーブの岩瀬と昨年2000安打を達成した荒木の引退セレモニーが行われた。

 チルドレンに対する愛のムチだった。次期政権への思いを問われると、金本監督が少しやつれた頬に笑みを浮かべた。「だいぶ育成に回ったので、そろそろ補強に偏った方がよろしいかと思います」と、退任会見でブラックジョークをぶっ放した。3年間の超変革路線は実を結ばずに終わり、自身への皮肉を込めての「補強のススメ」だった。

 もちろん本心では来季以降、まな弟子たちが成長した姿を見せることを熱望している。最終戦は延長11回に中谷が決勝打を放つなど、大山ら若手の奮起で手向けの白星となった。「この3年間、いろいろ目をかけて朝練に付き合ったりとか、いろいろして。そういう選手が来年以降、芽が出て花が咲いてくれないと、僕まで悲しくなるよね。来年以降、きれいなすごい花を咲かせてほしい」と、うっすら目に涙を浮かべた。

 実質的は辞任勧告という形で、契約を2年残しながら虎を去る。だが、球団への恨み言は一切なし。「毎年、勝つことを要求されるチームでしたけど、思い切って補強を避けて。若い選手をつくっていくという面においては道半ばでしたけど、これもプロ野球なんで、結果なんで。これは仕方ないというか…。選手はやってくれたんですけど、僕の力及ばずで、本当にファンには申し訳ないとは思っています」と謝罪。鉄人は現役時代と同じく、最後まで言い訳をせず、逃げ隠れもせず、堂々としたままユニホームを脱いだ。(島尾 浩一郎)

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