【日本ハム】金子千尋改め「弌大」 風水の先生から助言「35歳のルーキー」

スポーツ報知

 オリックスを自由契約となり、日本ハムへの入団が決まった金子千尋投手(35)が10日、札幌市内で入団会見を行った。背番号は「19」。初めての移籍を機に、登録名を「金子弌大」(読みは同じ「ちひろ」)に変更することも発表された。

 1年契約で年俸は1億5000万円プラス出来高(推定)。今季年俸6億円からの減額幅4億5000万円は、15年の杉内(巨人)と並ぶ史上最大タイとなった。

 黒髪にスーツ姿の金子は、スッキリとした表情だった。「35歳のルーキーの気持ち。また一からやってやるぞという気持ちです」。14年のパMVP&沢村賞右腕が、新天地でのプレーを心待ちにした。

 登録名変更は、プロ2年目から慕う風水の先生から助言を受けてのもの。「弌」は「一」の古字で「初め」や「最初」などの意味があり、新天地でスタートを切る決意を示した。「心機一転、名前も変えてみようかなと。新たな金子弌大を見せていきたい」と笑った。オリックス時代に慣れ親しんだ背番号「19」には「僕が背負っていいのか」と心境を明かしつつ「結果を残して19番にしてよかったと思ってもらえるように」と意欲を燃やした。

 交渉で自身の熱い思いを伝えたという栗山監督は「優勝した時にマウンドに立たせてあげたい」と青写真を描いた。プロ14年間で優勝経験がない金子。今季は首や背中の張りで8月以降は登板がなかった。それでも「開幕はしっかりとした状態で投げられるんじゃないか。優勝に向かってできることはすべてやりたい」と、指揮官の思いに答える覚悟だ。(小島 和之)

 ◆金子 弌大(かねこ・ちひろ)1983年11月8日、新潟県生まれ。35歳。長野商2年春にセンバツ出場。トヨタ自動車から04年ドラフト自由獲得枠でオリックス入団。10年に最多勝、13年に最多奪三振。14年は最多勝と最優秀防御率の2冠で、沢村賞とリーグMVP。今季は17試合で4勝7敗、防御率3.87。180センチ、77キロ。右投左打。

 ◆「弌」という漢字 「一」の異体字(字の形は違うが、意味、発音が同じ字)。紀元100年頃にできた中国最古の部首別漢字字典「説文解字(せつもんかいじ)」にも載っていて、古くから存在していたようだ。古代文字に詳しい白川静氏による漢和辞典「字通」には、金銭証書などで「二」の代わりに用いる「弐(に)」の形を「一」に適用したものという。現在の人名用漢字にはないが、明治時代には、文化勲章を受章した陶芸家・楠部彌弌(くすべ・やいち)氏や、椙山女学園の創始者・椙山正弌(すぎやま・まさかず)氏ら、文化人の人名に使われている。

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