【オリックス】ドラ2頓宮、昇格即“プロ初本塁打”「手応えあった」開幕スタメンに名乗り

スポーツ報知
2回無死一、二塁、左越えに3ランを放った頓宮はメネセス(左)と西村(右)に迎えられ笑顔を見せる(カメラ・石田 順平)

◆オリックス紅白戦 白組1―4紅組=特別ルール=(20日・SOKKEN)

 オリックスのドラフト2位・頓宮(とんぐう)裕真内野手(22)=亜大=が20日、特大の“プロ初本塁打”を放った。

 19日の1軍昇格後、初の紅白戦に紅組の「7番・三塁」で先発出場。1点リードの2回無死一、二塁で竹安から左越え3ランをたたき込んだ。自主トレ前からパンチパーマで話題をさらったルーキーが持ち味のパンチ力を発揮し、開幕スタメン候補に躍り出た。

 左翼スタンドに消えた推定120メートル弾を見送りながら、頓宮はゆっくりとダイヤモンドを一周した。「手応えはありました。1本出て安心しました」。2回無死一、二塁、2ボール2ストライクからの真ん中のフォークを完璧に捉えた。ベンチでチームメートとハイタッチして、緊張した表情に少し笑みがこぼれた。

 主砲からの助言を結果に結びつけている。キャンプ中、吉田正に積極的に話しかけ、「追い込まれてからの対応が課題でした」と質問した。「ポイントを近くにして打つ感じと教わりました」。“吉田正流”を学び、ここまで1軍紅白戦で放った4安打のうち、2安打が2ストライク後。この日はアーチをかけ、打撃センスの高さを見せつけた。

 昨年12月の入団会見で「入寮でパンチパーマにしようと思っています」と宣言。有言実行し、キャンプ前には3度目のパーマを当てて仕上げた。キャンプ終盤を迎えて、話題性だけでなく、本業の野球でもパンチ力を発揮した。

 亜大では1年春から正捕手を務め、その後は一塁も兼任した。プロでは人生初の三塁挑戦もあり、キャンプ2軍スタート。それでも、大学日本代表の4番を務めた打力を買われ、1軍紅白戦には“お試し昇格”で全試合に出場してきた。17日までの4試合で10打数3安打と結果を残し、19日から正真正銘の1軍昇格を果たした。連日ノックを受け、三塁守備も上達。西村監督は「無難にこなしている」と評価したが、頓宮は「まだまだです。捕球の姿勢やステップをやっていきたい」と向上心にあふれる。

 チームは昨季、三塁手を固定できず、大城の64試合出場が最多。西村監督は「三塁手争いに入ってきた」と西野、大城、白崎らとの激しい競争を思い描いた。オリックスの大卒野手では16年に「1番・DH」だった吉田正以来の開幕スタメンへ。頓宮は「毎日アピールしていきたい」と鼻息が荒かった。(牟禮 聡志)

 ◆頓宮 裕真(とんぐう・ゆうま)

 ▼生まれとサイズ 1996年11月17日、岡山・備前市生まれ。22歳。181センチ、97キロ。右投右打。

 ▼球歴 伊部小1年から野球を始める。備前中では瀬戸内ボーイズに所属。岡山理大付高では通算24本塁打も甲子園出場なし。亜大進学後、大学日本代表でも捕手登録ながら「4番・一塁」で出場。

 ▼背番号 阪急、オリックスなどで日本通算277本塁打のブーマーと同じ「44」。入団会見では「ブーマーから“ユーマー”に変えられるように頑張りたい」と宣言。会場はややウケで「関西は厳しかった」。

 ▼筋トレ封印 筋肉がつきすぎることから、大学時代からマシンなどを利用した高負荷のトレーニングを行わず、プロでも継続。

 ▼ギャップ? 貫禄のある体格に、こわもてのパンチパーマ姿に、同期入団のドラフト1位・太田椋内野手(18)=天理高=は「最初は怖かったけど、話したら優しかったです」。

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