【巨人】ドラ5俊太&広島の兄・広輔を育てた「田中家3つのおきて」

スポーツ報知
祝賀会で相模の現役部員に囲まれ笑顔を見せる田中俊太

 巨人ドラフト5位の田中俊太内野手(24)=日立製作所=と兄で2017年セ・リーグベストナインの広島・田中広輔内野手(28)は、ともに神奈川の相模ボーイズ小学部、同中学部のOB。父・正行さん(57)も高校時代は東海大相模の遊撃手という野球一家で、しつけには厳しかった。チーム関係者が敬意を込めて「田中家のおきて」と今も語り継ぐ家族のルールを取材した。(芝野栄一)

 田中家は長女で公務員の沙織さんから広輔、会社員の洋平さん、俊太、大学生の次女・梨紗さんの順に生まれた5人きょうだい。男3人は全員小学生から野球を始めたが、正行さんは「生活態度がしっかりしなければいい選手にはなれない」と、厳しいルールを作って守らせた。

 ▼道具を大切に

 「明日が試合ならグラブは磨いて枕元に置き、バットは抱いて寝なさいと。それぐらいの気持ちで取り組んでほしかった」と正行さん。練習後はスパイクやグラブを必ず磨いてから袋やバッグにしまう。汚れたユニホームは自宅外の水道でいったん泥を落としてから持ち込み、自分で洗濯する。それが当たり前だった俊太は「高校(東海大相模)で寮に入っても生活面は、ほとんど苦にならなかった」と振り返る。

 ▼家事を分担

 田中家では家事の一部をきょうだいで分担していた。正行さんによると「一番下の梨紗は小さかったから手伝うくらい。当番は4人がジャンケンで決めていたが、公平にしようとルーレットのような表を作ったこともあった」という。画用紙を大小2つの円に切り、それぞれ中心から十字に線を引いて4等分する。大きな円の外側に家事(トイレそうじなど)、小さい円に名前を書き込み、重ねて中心に画びょうを刺して壁などに止める。毎日小さい円を同じ方向に1コマ回すことで、公平に家事が割り当てられた。正行さんは「俊太は、お姉ちゃんに結構助けられていたね」と、きょうだいの仲の良さを強調した。

 ▼宿題は絶対

 学業もおろそかにしなかった。「当然ですが宿題は必ずやらせました。俊太はたまに忘れて、その日は野球をやらせなかった。広輔も1日だけ忘れたことがありましたね」と、正行さんは懐かしそうに話した。

 プロにまで成長した広輔、俊太は「当時は『うるさいな』と思ったこともありました」と明かした上で、「今では(父の教えが)いろんなところで生きている」と口をそろえた。正行さんは「野球も普段の生活も基本が全て」と、改めて2人にエールを送った。

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