解禁即23センチ即47尾、型も数も…福井・日野川
福井・嶺北を流れる日野川は1日、待望のアユ釣り解禁を迎えた。初日から多くのファンでにぎわい、盛況なスタート。いきなり23センチの良型が強烈な引きを味わわせてくれるなど、今シーズンは大いに期待が持てそうだ。
前夜から断続的に降った雨は、全く影響を及ぼさなかった。「朝に水位が30センチ上がっていても正午には引いている。増水には強い」と、日野川漁業協同組合の佐々木武夫さん。解禁日の1日、早朝から熱心なファンが、あちこちで竿を構えていた。
午前10時過ぎ、今庄の大門橋上流で釣っていた、碧南市・石川人士さん(57)に声を掛けた。瀬肩のトロ場を重点的に狙い、もう18尾ほどアユを掛けていた。「早朝は周りに人がいなかったから釣れるかどうか不安だったけど、開始30秒でガツーンと来た」。アユ釣り歴は約1年。昨年10月、この日野川で27センチの大型を仕留め、「いいイメージを持っているから」と、今年はシーズン初日に足を運んだ。
8キロほど下流に移動。南条大橋上流では、城陽市・梅田幹夫さん(66)が、やはり15~20センチを20尾近く釣っていた。「ここには初めて来た。アユの香りがいいね。このぶんだとお盆の頃には、もっといい状態になっていると思う」と満足顔。最終的には47尾まで釣果を伸ばした。
流路延長71・5キロの大河川。友釣り区域も45キロと長く、ポイントは豊富にある。小石底の場所が大半だが、岩盤や大石も存在し、川相には変化がある。
また、今季は延べ300人を動員して、越前市から南越前町の南条まで河川敷を整備。入川しやすいように雑草を刈り、駐車スペースも整えた。さらに北陸道・今庄ICから車で5分と近い、漁協の今庄支所をリニューアル。誰でも使えるシャワーと休憩室を設置した。美濃美雄組合長は、「安心、安全に釣りを楽しんでほしい」と信条を明かす。
日野大橋下流で、京都市・村田武久さん(78)に釣ったアユを見せてもらって驚いた。20センチ級の良型ぞろいで、最長寸は何と23センチ。「足元で掛かった後、向こう岸までギューンと走られた」と強烈な引きを振り返った。今季の稚魚放流は、海産系65万尾を4月末までに完了。2か月たち、大きく育っているようだ。地元(越前市)のアユ釣りファン、大柳貴司さん(66)は「解禁を例年より少し遅らせたのが良かったのかもしれない。数も非常に濃い」と喜んでいた。
その後も各ポイントで順調にアユは釣れている。毎日、川を巡視している漁協の佐々木さんは「5年ぶりの好調。コンスタントに20~30尾ほど釣っている人が多い」と太鼓判。これから盛期にかけて、さらに期待が膨らむ。
(小谷 竜一)
◇問い合わせ 「日野川漁業協同組合」(TEL0778・22・0204/テレフォンサービスTEL同45・2323)、または「同・今庄支所」(TEL同45・1791)へ。ホームページあり。
◇営業時間 午前5時半~午後3時。オープンは10月中旬まで。
◇料金 年券9000円(障がい者は半額)。日券3000円(漁場購入は1000円増し)。女性は無料。