川崎憲次郎さん、アジ釣り対決で粘り勝ち…本紙船上カメラマンを逆転

スポーツ報知
大型の金アジを釣り上げ、マウンドではあり得なかった笑顔を見せた川崎憲次郎さん(カメラ・越川 亘)

 元プロ野球ヤクルトのエース・川崎憲次郎さん(47)は、かつて巨人キラーとして君臨。今は故郷・大分で“釣り師”の顔も持つが、スポーツ報知が巨人報道に強いことを知ってGキラーの血が騒いだ。報知きっての釣り師こと船上カメラマン・越川亘記者(51)に宣戦布告。「関東でも釣りますよ」と早速、東京湾走水沖

に繰り出し、アジ大物1尾勝負で対決した。

 プロ野球もオープン戦が本格スタート。開幕が待ち遠しいので実況ふうにお伝えしていきましょう。

 ◆試合前

 川崎「東京湾、実は初めてなんですよ。っていうか、関東ではやったことないです」

 越川「ええーっ。じゃあ、川崎さんにとってはここは完全アウェー。ボクにとって東京湾は東京ドームみたいなもの。しめしめ」

 ◆1回表

 船長「水深80メートルです。はい、やってください。底から3メートル上げて、コマセをだして1メートル巻いてね」

 さあ、釣り開始。第1投で、まず越川にアタリだ! 30センチと25センチのアジを釣り上げた。

 ◆2回裏

 川崎「潮が速いですね、水深80メートルはあまりやったことがありません…。ライン出過ぎ。すいません、まつってます、巻きます」

 オマツリも数回。Gキラーが水深に苦しむ我慢のピッチング。敵地でかなり手こずっている様子だ。

 ◆4回裏

 船上カメラマン、順調にアジを追加。大サバも釣りあげ、仕掛けをマダイ仕様にチェンジ。

 越川「とどめの満塁ホームラン狙います!」

 ◆5回表

 中盤にさしかかり、最多勝&沢村賞右腕が実力を発揮。コツをつかみ、約40センチに船上で笑顔を見せる余裕が出てきた。投げ入れるごとに、打者から三振を奪うかのようにアジをゲットだ。

 川崎「分かりましたよ、分かりました、東京湾。入れ食いタイム、来ましたねー。楽しい。40センチほどのこれ、いいですね~」

 ◆6回裏

 ここで船上カメラマンが揺さぶりに入る。

 越川「マダイ、やってみますか」

 川崎「…。いや、やっぱり、アジの仕掛けで」

 続投宣言の川崎。越川は全長6メートルのマダイの仕掛けでアタリを待つが、サバのみ。我慢比べが続く。

 ◆7回表

 魔のイニング。マダイ狙いの越川に異常発生! まさかの船酔い状態に。しばらく釣りにならず。「やめちゃうんですか?」と入れ食いの川崎。気づかれまいと船上カメラマンは平静を装うが、元プロのスタミナは底知れず。

 ◆8回表

 川崎、絶好調。終盤に入ってエンジン全開。最後まで投げきる様子だ。

 川崎「これ、釣りすぎですよね、楽しいから釣っちゃうけど、最高です」

 一方の越川はマダイ狙いが完全裏目に。最終回のひと投げにかけた。

 ◆9回裏

 船長「はーい、これで最後です」

 川崎、さらに2尾追加でゲームセット! さすがGキラー。報知にも強いとは。とほほ。完敗でした。(ペン&カメラ・越川 亘)

 今回のバトルは横須賀・走水港の関義丸が舞台。午後船で出船した。子供の頃はよく近所の波止場に釣りにいったという川崎さん。現在は故郷の大分でCSのテレビ番組「川崎漁業組合」に出演している。

 さすがに現役時代は釣りはできなかった、という。「中学、高校と野球漬けでしたから。今、現役終わって最高の生活してるかも」と笑う川崎さん。釣った魚の話はとまらない。大分では友人の船で佐伯湾から豊後水道まで繰り出す。「船でちょっと行くと2時間くらいでクーラー一杯釣れます。全部食べますよ。余ったら干物にもします。今日はアジですよね。アナゴとかもいませんかね。大分のアナゴは刺し身でいけますよ」と太鼓判だった。

 関東では初の釣行。大分とは釣り方も仕掛けも違う。エサの「赤タン」に「これで釣れるんですか」と言っていたが、そこは“釣り師”。すぐにコツをのみこみ爆釣だ。クーラーをいっぱいにして船上カメラマンに“完封勝利”。「川崎さん、リベンジさせてくださいね」と再戦をお願いした。なんなら大分に乗り込んでもいい。(越川 亘)

 ◆川崎 憲次郎(かわさき・けんじろう)1971年1月8日、大分県佐伯市生まれ。47歳。津久見高3年時の88年春夏の甲子園でベスト8。同年ドラフト1位でヤクルト入団。1年目から先発で4勝を挙げ、90年12勝、91年14勝。93年に10勝、西武との日本シリーズで2勝を挙げてMVP。98年17勝で最多勝&沢村賞。00年オフにFAで中日移籍。04年引退。13年から2年間、ロッテでブルペンコーチ、投手コーチ。通算237試合、88勝81敗2セーブ、防御率3・69。

 ◆越川 亘(こしかわ・わたる)1966年、大阪府出身。51歳。本紙船上カメラマン。89年報知新聞社入社。写真部勤務を経て、メディア局コンテンツ編集部次長。中国の古いことわざにある「―永遠に幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」を実践中。趣味は他に、落語、お酒。血圧が高めで休肝日を設定、お茶で過ごす日もある。

 ◆めも アジ釣りの近況、乗合船は、走水港関義丸(TEL046・841・7154。HPはQRコード参照)。乗合船は午前7時30分と午後1時に出船。料金はイカ餌、氷付きで半日6000円(小学生5000円)。一日通しで乗る場合は9000円(同8000円)。青イソメ餌は1パック200円。レンタルタックル、有料駐車場あり。京浜急行・馬堀海岸駅から送迎がある。

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