浜新丸“エビスズキ”でハラハラドキドキ…内房・富津沖

スポーツ報知
68センチの大型スズキを手にした橋本隆司さん(浜新丸で)

 内房・富津沖で生きエビ餌で狙う“エビスズキ”が3月にスタート、調子を上げている。富津港の報知指定・浜新丸では、東京湾の富津沖や第2海堡(かいほ)周辺を狙い、50~60センチの中型を主体に、4月1日にはトップで12尾を記録している。これから水温上昇とともに餌を活発に食い、どんどん魚体は厚くなり70センチ級も期待できる。スズキ独特の力強い引きがさらにパワフルになる。

 潮に合わせ午前5時に富津港を出船。航程約20分で第2海堡周辺に到着した。濱名博一船長(54)の「どうぞ始めて下さい」の声で釣り開始だ。エビ餌を船べりからそっと海中へ。オモリはハリスと絡まぬように少し前へ投入。タナ取りは簡単だ。濱名船長が出船前、道糸に赤いマジックで付けてくれたオモリから9メートル上の所の印を水面に合わせるだけ。後はじっとアタリを待つ。

 すると、コッコッと魚信が竿先を震わせた。スズキのアタリだ。竿先を下げ、グイグイと明確な引きに変わった瞬間、合わせを入れる。竿は大きな弧を描いた。ここからスズキは大暴れ。ハリスをたぐる時も船下へ走り、タモ網に入るまで強い引きをみせた。次の流しでもすぐにアタリがあった。ゴツゴツと続く引き込みに合わせを入れるもすっぽ抜け。“天国と地獄”。これこそ醍醐(だいご)味だ。

 この釣りに魅了される釣り人は多い。毎月のように通う八王子市の橋本隆司さん(58)もその一人だ。この日は68センチの大型を上げた。「前アタリから食い込み、本アタリへの間がハラハラして面白いです。大型は引きが強いですね、シーズンはこれからですよ」と話す。

 右舷胴の間では、大田区の田中勝則さん(51)が手バネ竿でこの日トップの9尾を上げた。スズキが釣れると、ナイロンの道糸を手でたぐり釣り上げる。「手バネ竿で釣ると、取り込みが面白い。魚とナイロン糸1本でのやり取りがスリリングで楽しいですよ」と笑顔で話す。

 釣り人はスズキを仕留めると、すぐに魚を締める。千葉市の増田義夫さん(63)は開始すぐに50センチ超えを上げると血抜き、神経締めを施した。「下処理をすると鮮度が保たれ、おいしく食べられますよ。今はバターソテーがいいかな」と言う。

 浜新丸では3月から乗合船を開始した。17日に40~65センチを5~10尾を記録すると、翌18日には10~11尾、4月1日にはトップ12尾と好釣果を連発している。濱名船長は「今年はシコイワシが多く、シーズン序盤から太ったスズキが多いですね。これから梅雨にかけてスズキは体高や太さが増します。力強い引きが楽しめますよ」と今後に自信を見せた。(田中 清)

 ◆エビが海中で動かないと釣果に差

 エビスズキで大切なのは餌付けだ。餌入れのタライから生きたサイマキエビをそっと取り出し、ツノを折る。次に口からハリ先を入れ、ツノの下へ真っすぐに刺す。ハリ先は殻からほんの少し出す。腹ビレでパタパタと泳げばOKだ。ハリ先が少し奥の脳に触れるとエビは死んでしまう。エビが海中で動かなければ食いは落ち、釣果に差が出てしまう。

 ◆めも スズキ釣りの近況、乗合船は富津港浜新丸(TEL0439・87・4967、ホームページはQRコード参照)。乗合船は潮に合わせて出るので、出船時間は要問い合わせ。料金は餌、氷付きで1万円。貸し竿500円、オリジナル仕掛け200円、オモリ200円。

 山下橋山本釣船店(TEL045・622・0997)では、渡船で横浜堤防や川崎新堤からシーバスが狙える。

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