アユ、相模川で過去最高の4488万尾が天然遡上…関東・東海地方で20日解禁

スポーツ報知
元気よく跳ねるアユ

 アユ釣りシーズン到来! 関東・東海地方では今月20日に静岡・興津川で開幕する。6月1日には神奈川・相模川や栃木・那珂川などで解禁になる。気になる天然遡上(そじょう)は、相模川で1999年の計測開始以来、最高となる4488万尾(4月2日~5月6日)の稚魚が上がった。静岡・狩野川も例年より多い見込みだ。関東・東海地方の有望河川(25漁協組)の放流状況などを別表にまとめた。

 相模川ではアユの天然遡上がすごい。神奈川県内水面漁業振興会が行っている計測では、4月2日~5月6日までに約4488万尾の稚魚が上ったとしている。遡上計測は1999年から始まったが、これまでの最高は2002年の約2185万尾。今年はその数字を軽く上回ってしまった。

 相模川漁連では「ここまで遡上量が増えた原因は分からない」としているが、同漁連ではこれまで産卵場の整備や昨年まで3年連続で稚魚を20トン放流をしているほか、稚魚も神奈川県産ものに限定していた。「こういったことが遡上増加につながったのでは」と見る漁協関係者もいる。魚影は文句なしに多いので、数釣りが楽しめそうだ。

 関東・東海の主要河川でトップを切って今月20日に開幕する静岡・興津川では、3月10日に天然遡上の第1陣を確認した。先頭グループは、4月下旬には中流部の高瀬に到達している。高瀬のオトリ店さかなや主人、望月啓志さん(80)は「承元寺堰堤(えんてい)の改修工事が終わったことで、稚魚がスムーズに上ってきている。今年は小型交じりだが、かなり多いようだ」と見ている。こちらも開幕が楽しみだ。

 静岡・狩野川も天然遡上が好調だ。3月27日に第1陣を確認、その後も次々に上がってくる稚魚の姿が見える。ここ数年、遡上はよくなかっただけに今年は期待できそうだ。茨城・久慈川では河口近くで3月14日に第1陣を確認した。「今年は3月に水量が多かったので、遡上する環境は良かった」と漁協組。5月に入って袋田地区まで達しているのが確認されている。

 栃木・那珂川も有望だ。天然遡上の魚が、3月30日に栃木・茂木町に到達。「サイズはやや小さめだが、昨年に引き続き量は多い」と漁協組はいう。このほか神奈川・酒匂川や静岡・安倍川、藁科川、同河津川も「遡上は良好」としている。(高田 典孝)

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