【藤原義雄の南紀直送便】トーナメントで経験した「明」と「暗」

2017年11月7日7時0分  スポーツ報知
  • 真剣勝負のトーナメントでは明暗分かれるドラマが起こる

 若いグレアングラーを中心に人気がある、トーナメント。私も10年ほど前までは“トーナメント大好きアングラー”だった。メーカー主催の大会などに数多く参加し、夢中になった。年を重ねるとともに体力が続かなくなり、燃える魂も鎮火してしまったが…。

 勝負ごとには「運」がついて回る。私の明暗エピソードを挙げてみよう。

 まずは暗。報知グレ釣り選手権でのこと。決勝戦での前半、私は入れ食いだったが、対戦者は1尾しか釣っていなかった。「負けることはない」と高をくくり、35センチぐらいのグレをタモを使わず抜き上げようとして2尾、落としてしまった。後半にポイントを交代。私の方はガンガン流れる当て潮で全く釣りにならない。一方、対戦者の方は潮が良くなり、私の釣った魚より一回り大きなサイズを入れ食いにされた。結果は300グラム差で負け。ちょとした手抜きが、敗因になってしまった。

 明の方は“お告げ”だ。例えば「浅く釣れ」とか「遠くの潮目を釣れ」とか、優勝したトーナメントでは必ず試合中にヒントがあった。

 最高のお告げは、餌取りのアジに悩まされた大会でのこと。「ボイルオキアミのLLサイズを使え」というヒントで決勝戦まで進んだ。決勝戦では、他の対戦者2人はボイルをまき餌に入れていた。アジはかわせたが、グレが食ってくれなかった。そこで、お告げ。2人がまいたボイルが沖の潮目で浮き、それを目当てにカモメが集まった。私は磯際の浅ダナを徹底して狙っていたが、「何をやっているんだ。沖のカモメの下を釣らんか!」と、お告げがあったのだ。

 ゼロスル仕掛けで、生オキアミを刺し餌にカモメをめがけて大遠投。アジは、夢中でボイルを拾うカモメを怖がり全く居なかった。生オキアミはアジにもカモメにも取られず、2ヒロほど沈んだところで竿引きの当たり! 30センチの尾長が釣れた。繰り返すと、また同型のグレがヒット。ほかの2人は境界線があるので、そこを狙えなかった。まさに私の独り舞台。優勝を決めた。

 トーナメントの楽しさは、きっちり勝敗が決まることだと思う。勝ちを重ねていくと最後には頂点に立てる。これが実にいい。勝って喜び、負けて悔しがる。真剣勝負の舞台だからこそ、面白いドラマが起こる。 ※毎月第1火曜日に掲載。

 ◆藤原 義雄(ふじわら・よしお)1950年9月20日、徳島・鳴門市生まれ。67歳。21歳からグレ釣りを始め、数々のトーナメントで活躍。「ゼロスルスル釣法」の考案者。がまかつ、マルキユーなどメーカー数社のインストラクターを長年、務める。グレ闘友会会長。和歌山県白浜町で餌・釣具店「フィッシングベース海クン」を経営。

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