シンセサイザー奏者の冨田勲さん死去…84歳、慢性心不全で

2016年5月8日13時34分  スポーツ報知

 作曲家でシンセサイザー奏者の冨田勲氏が5日午後2時51分、慢性心不全のため都内の病院で死去した。84歳だった。

 レコード会社によると5日昼ごろ、自宅で倒れ病院に搬送。家族に看取られながら息を引き取ったという。葬儀は親族のみで執り行われ、後日、お別れの会が開かれる。

 冨田氏は1932年、東京都生まれ。慶大在学中からNHKの音楽番組の仕事を始めた。63年には大河ドラマ第1作「花の生涯」の音楽を担当。テレビアニメ「ジャングル大帝」「リボンの騎士」などの音楽では、従来のアニメ音楽を超える優れた音楽性が高い人気を呼んだ。

 70年ごろからシンセサイザーによる作曲・編曲に着手。74年に米でリリースされたアルバム「月の光」は、米ビルボード・クラシカルチャートで1位となり、日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされた。全米レコード協会の74年度クラシック部門最優秀レコードにも選出され、人気は全世界的なものになった。

 最近では、バーチャル・シンガーの初音ミクをソリストに組み込んだ「イーハトーヴ交響曲」を発表。今年11月に上演予定の新作「ドクター・コッペリアス」の創作活動を、亡くなる直前まで行っていたという。

 冨田氏の長男で慶大教授の勝氏はコメントを発表。「父はドクター・コッペリアスを完成させたいという並々ならぬ強い思いを持っていて、倒れる1時間前までも楽しそうにそのイベントの打ち合わせをしていました。『11月までは死ねなくなっちゃったよ』と笑って言っていました。父はもともと低血圧なので、立ちくらみのように意識が一時的に飛ぶことはよくありました。今回倒れたときも、徐々に意識が薄れていったと思われますので、本人はまた意識が戻るつもりでいたと思います」と亡くなる直前の様子を振り返った。

 そして「私は父にあれしろこれしろと言われたことは一度もありませんでした。既成の常識にとらわれずに、信じた道を突き進む父の背中が、私の人生においていつも背中を押してくれました。父の作品と志は、亡くなることはありません。これからも冨田勲をどうぞよろしくお願い致します」と、父への思いをつづった。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
芸能
今日のスポーツ報知(東京版)