【シネマの小箱】大島優子、阿部寛に「引っ張られないように演じた」

2016年11月25日15時0分  スポーツ報知
  • 女優として輝きを増す大島優子

 人気作家・東野圭吾さん(58)のベストセラー小説が原作で、阿部寛(52)主演の映画「疾風ロンド」(吉田照幸監督)が26日に公開される。医科学研究所の主任研究員・栗林(阿部)がスキー場に隠された生物兵器の回収作業に奔走するストーリーで、栗林に協力するスノーボードクロスの選手を演じるのが元AKB48の女優・大島優子(28)。サスペンスながらコメディー要素も多い作品で、大島は「撮影中も笑いをこらえるのが大変だった」と振り返った。(浦本 将樹)

 大島が演じるのは五輪を目指すも、選手としての限界を感じているスノーボードクロスの選手・瀬利千晶。舞台となる長野・野沢温泉スキー場で必死に“何か”を探す医科学研究所員・栗林和幸(阿部)に巻き込まれてしまう。

 「東野圭吾さん原作のサスペンスなので、最初は堅いイメージがあった。脚本と台本を読んで現場に行ってみると、全然違っていてびっくりした」

 世間の混乱を防ぐため“何か”が生物兵器であることを隠して探す栗林。4日間というタイムリミットがある中、兵器を横取りしようとする謎の男(ムロツヨシ)も参戦する。危機感と同時にコメディー要素も多い。

 「顔ぶれを見て、私と(一緒に生物兵器を探す)大倉忠義さんがシリアス側。阿部さんとムロさんがコメディー側だと分かった。『あっち側に引っ張られてはいけない、いけない』と意識しながら演じました」

 インタビュー中も大きな目をくるりと動かし、よく笑う大島。撮影中は真剣な表情で演じたが、内心は違った。

 「笑いを我慢するのが大変でした。一日も早く生物兵器を探さなくてはいけない栗林、でも生物兵器とは言えずにウソをつかないといけない、そんな栗林を表現する阿部さん。と、重ねて重ねて演技する様子がすごいんですけど、面白くて」

 もう一人の“あっち側の住人”ムロにも笑わされた。

 「スノボで滑る私と大倉さんを、ムロさんがこっそりスキーで尾行するシーンがあるのですが、本番になると大げさに転ぶんです。わざとやっているんだと思う。だって練習の時は完璧に滑っていましたから(笑い)」

 ムロとは、生物兵器をめぐりスキーとスノーボードで強烈な追いかけっこを繰り広げる。

 「撮影している時はどう映っているか想像つかないのですが、完成作を見てすごいなと思った。なかなか見ない映像です」

 スノーボードで猛スピードでデッドヒートを行うシーンから戦う場面は、ほとんどスタントは使わず自力で挑んだ。

 「スノーボードは小学校3年生の時からやっていて得意なんです。当時ブームだったし、実家も栃木なので週に何度か家族でスキー場に行っていました。台本を見たときは『やった!』と思った」

 もともと、運動神経は抜群。部活はやっていなかったが、小中高とリレーの選手だった。

 「身長が低いからじゃないですかね。50メートル走のタイムは7秒4くらいだったかな。大人になってAKBの時も計りましたが7秒台でした」

 2014年にAKB48を卒業し、女優一本で活動。同年には「紙の月」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど演技の評価は高い。トップアイドルの座から離れ、女優に専念してみてどうなのか。

 「バランスをとるのが難しいですね。グループの時はアイドルやりながらお芝居、というどっちも別世界でした。両方頑張らないといけないのですが『こっちに力を注ぐ時はこっちが休憩所』と心が休まる場所があった。一つに絞ると本当の意味で向き合わないといけないし、難しいなとは思います」

 煮詰まる時もある。

 「いくら考えてもやる時は来るんだから仕方ない。『やるしかない』と割り切って都内から離れます。緑を見ておいしい空気を吸いに行っちゃいます」

 今後も女優としてやってみたい役はあるのだろうか。

 「恋愛ものはやったので、すごい性格悪い役をやってみたい。殺人犯のような。今まで自分がやられる側が多かったので。(今年公開の米映画)『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインなんかいいですね。悪党なのにかわいい、みたいな」

 女優・大島優子として自分の引き出しを増やしている最中。記者も武道館などで取材していたアイドル時代からは想像しにくい。

 「私も人間ですから、すごいドロドロしていますよ。(笑い)。人の癖、しぐさ、声のトーンも観察するので、何とな~く『この人どう思っているのかな』って。それを自分の芝居に生かそうと脳に書き留めています」

 ◆あらすじ 医科学研究所から違法生物兵器「K―55」が盗まれる。違法な存在であるため警察に連絡もできない中、4日間で探さないと大参事が起きてしまうことが判明。所長からのミッションを受けた主任研究員・栗林和幸(阿部寛)が、生物兵器を探し出すために雪山を奔走する。

 ◆大島 優子(おおしま・ゆうこ)1988年10月17日、栃木県生まれ。28歳。7歳から子役として活動。06年4月、AKB48の第2期メンバーとして加入。選抜総選挙は2回、1位に輝いた。13年大みそかのNHK紅白歌合戦で卒業を発表。14年6月の公演を最後に卒業。同年公開の映画「紙の月」で報知映画賞・助演女優賞を受賞。他の映画出演作に「闇金ウシジマくん」「真田十勇士」など。身長152センチ。 

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