坂東巳之助「その瞬間の舞台を大事にやって行きたい」新春浅草歌舞伎26日まで

2017年1月8日17時0分  スポーツ報知
  • 浅草の街を背に視線を向ける坂東巳之助

 歌舞伎界にとって1月の風物詩となった「新春浅草歌舞伎」が、東京・浅草公会堂で上演中だ(26日まで)。37年の歴史を刻む浅草での歌舞伎興行は若手歌舞伎俳優の登竜門と言われる通り、最年長の尾上松也(31)を筆頭に、20代の花形が大役に挑む。インターネット特別企画で、主要メンバー4人の素顔を紹介する。第2回は坂東巳之助(ばんどう・みのすけ)の登場です。

 一昨年2月に亡くなった10代目坂東三津五郎さん(享年59)の長男。15年10~11月に新橋演舞場で上演されたスーパー歌舞伎2「ワンピース」ではロロノア・ゾロ、ボン・クレー、スクアードの3役で出演し、完成度が歌舞伎ファン以外でも話題に。様々な可能性が期待される若手屈指の“演技派”だ。

 新春浅草歌舞伎には3年連続6回目の出演。「繰り返し出演させていただいて、浅草公会堂に通うということが『新しい1年が始まるんだ』という気にさせてくれる」。第1部の「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」では、しゃべりが不自由な絵師・又平役を勤める。浅草歌舞伎初出演の08年に又平の弟弟子の修理之助役を勤めており、浅草の“原点”ともいえる演目だ。

 同じく第1部の「吉野山」では吉野山に身を隠す静御前(中村壱太郎)を捕らえようとする早見藤太役。第2部では昨年8月に歌舞伎座で中村勘九郎と共演した「棒しばり」に出演。無類の酒好き、次郎冠者(尾上松也)と太郎冠者(巳之助)が、主人の留守中、酒を飲まぬよう両手を棒や後ろ手で縛られるが、協力して奮闘し、酒を飲み交わすことに成功する様子を描く舞踊だ。

 「見てもらう前に、テーマや意気込みをあまり話したくないんです。決して、宣伝したくないわけではないんですが…。ただ、お客さんに『ここのシーンが難しいんだな』とか、先入観を持って見て欲しくなくて。真っ白な気持ちで見ていただきたいんです」。複雑な思いを訴えかける。自分自身だけでなく、歌舞伎界全体の将来を思い、どこまで情報を発信するのが観客にとって最善なのか、試行錯誤しているようだ。

 「ワンピースを見て、歌舞伎に興味を持った方もいらっしゃるはず。そういう方々に、歌舞伎って普通に肩ひじ張らずに見て面白いものだって伝えなくてはいけないと思う。ワンピースは面白かったけど、古典は訳が分からない、といわれたら意味がないんです」。どうしたら興味を持った新たなファンを満足させることができるのか―その思いが常に頭の中にある。

 大の「仮面ライダー」好きで、11年には「仮面ライダーオーズ/OOO」に出演。「清須会議」などの映画にも出演したことがあるが「歌舞伎に出る時間を削ってまで冒険するつもりはないです」。立ち位置の中心は当然、歌舞伎だ。「毎年変わらず、1日1日、その瞬間の舞台を大事にやって行きたい。自分自身、何がやりたい、というより、自分はどこに行っちゃうんだろうなと思っている方が好きなんです」。会見ではあえて盛り上げ役になることもあるが、芯はものすごく真面目な俳優だ。

 ◆坂東 巳之助(ばんどう・みのすけ)本名・守田光寿。1989年9月16日、東京都生まれ。27歳。大和屋。1歳11か月で初御目見得し、95年11月、歌舞伎座「蘭平物狂」の繁蔵と「寿靱猿」の子猿で2代目巳之助を名乗り初舞台。06年、本名でバンド「ZERO click」を結成しドラムを担当したことも。10年に映画「桜田門外ノ変」、13年に「清須会議」に出演。15年4月、日本舞踊坂東流家元に。血液型O。

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