松田龍平、サラリーマン棋士…異色の経歴・瀬川五段の挑戦描く

2017年8月16日6時0分  スポーツ報知
  • 演じる瀬川五段本人から指導を受け所作を猛特訓中の松田龍平

 俳優の松田龍平(34)が将棋棋士を題材とした映画「泣き虫しょったんの奇跡(仮題)」(豊田利晃監督、2018年公開)に主演することが15日、分かった。

 棋士を志しながら夢破れ、サラリーマンとなってから再び挑戦し、夢を叶えた異色の棋士・瀬川晶司五段(47)の青春を描く。原作は瀬川五段による自伝。「しょったん」は幼い頃の愛称だ。天才でも奇才でもなく、等身大の棋士が起こした奇跡の物語となる。

 5月から瀬川五段の直接指導を受け、駒の着手などの所作を学んでいる松田は「駒に触れる度に将棋の魅力に引き込まれています」と語る。豊田監督とは「青い春」以来16年ぶりのコンビとなるだけに「この映画でタッグを組んで挑めることを嬉しく思います」と気合が込める。

 実は監督も17歳まで養成機関「奨励会」で棋士を目指し、瀬川五段と同じように挫折した過去があるだけに「僕は将棋を憎んでました。原作を読んだ時、憎しみが消えていくように涙が出ました。もう一度、謙虚に将棋の世界を見つめ直したい」と誓っている。

 また、幼なじみ役には、ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎(32)を配役。プライベートでも松田と仲の良い野田は「少しの不安とたくさんの楽しみが入り混じっています。友だちとしている時には見られない松田龍平の姿を見て僕もたくさん刺激をもらいたい」と共演を心待ちに。当の瀬川五段も「言葉では言い表せないほどうれしく思っています。しかも、私の役が松田龍平さんなんて…夢のようです」と感激している。

 今月末にクランクイン。昨年の「聖の青春」、今年の「3月のライオン」、そして来年の「泣き虫―」。藤井四段の活躍や「ひふみん」こと加藤一二三九段のキャラクターで空前のブームが続く中、本作は将棋や棋士の魅力を新たに伝えることになる。

 ◆瀬川晶司の奇跡 1984年に14歳で奨励会入りしたが、四段(棋士)昇段を果たせずに年齢制限の26歳を迎え、96年に退会。大学を卒業し、サラリーマンとなった中でアマチュアとして再起。棋士を相手に7割超の勝率を残す。2005年、戦後初の棋士編入試験を突破し、35歳で四段に。映画で描くのは棋士になるまでだが、12年には五段昇段を果たす。今年6月にはデビュー25連勝中だった藤井聡太四段と順位戦で激突。最後の最後に屈するも、最終盤までシーソーゲームが続く大激戦を演じた

 ◇キャスト、スタッフのコメント全文

 瀬川晶司役・松田龍平「映画『泣き虫しょったんの奇跡』をやらせて頂く事になりました。瀬川棋士に指導して頂き、駒に触れるたびに将棋の魅力に引き込まれています。この映画で豊田監督とタッグを組んで挑めることを嬉しく思います」

 幼なじみの鈴木悠野役・RADWIMPS野田洋次郎「豊田監督の作品は好きで観ていたのでお話を頂いた時はびっくりしました。どんな撮影になるのか、少しの不安とたくさんの楽しみが入り混じっています。普段、友達として一緒にいる時には見られない松田龍平の姿を見て僕もたくさん刺激をもらいたいと思います。(瀬川五段から)直接指導をして頂く度にこんな贅沢な時間を過ごさせてもらっていいのだろうかと恐縮しています。技術的なことはどうあがいても辿り着けない境地ではあるので、対局中の心の変化や実際の悠野役の方の性格や将棋の指し方など、瀬川さんが直接肌で感じる部分を知りたくて、質問しながら将棋を教わっています。そして全くの無知ながら将棋の手ほどきを一度受け始めるとその面白さに圧倒されます。その先に広がる宇宙を想像してワクワクしています。(クランクインを控えて)百戦錬磨の俳優の方々の中で自分がどれだけのことができるか不安は尽きませんが、楽しみを見つけながら少しでも僕自身この作品にプラスのエネルギーを提供できるよう、精一杯努めたいと思います」

 豊田利晃監督「少年時代、将棋の世界に生きていた僕は将棋を憎んでました。原作を読んだ時、その憎しみが消えていくように涙が出ました。もう一度、謙虚に、将棋の世界を見つめ直したいと思っています。映画監督20年目にふさわしい作品にしたいと思っています。そして、松田龍平と新しく出逢えるチャンスを与えられたことに喜びを感じています。と同時に龍平と組む時は絶対負けられないという思いがあります」

 原作者・瀬川晶司五段「(映画化されると聞いて)言葉では言い表せないほど、うれしく思っています。しかも、私の役が松田龍平さんなんて…夢のようです。原作『泣き虫しょったんの奇跡』は、私の大好きな人ばかりが出てくる大切な本です。今回の映画化を機に、一人でも多くの方に読んでいただけたら、これ以上の幸せはありません。(指導によって)松田さんの将棋の腕前は、ほぼ初心者状態のスタートから格段に上達されました。その集中力は驚異的です。さらに実力アップされていくはずです。折しも将棋ブームでもありますし、これを機に松田さんにも、ぜひ将棋にハマっていただきたいです。(この映画を)夢を追っている方、仕方なく諦めてしまった方、夢を探してる方、今は特に何もないという方、全ての方にご覧いただきたいです。きっと心に響くものがあると思っています」 企画・森恭一氏「豊田監督が将棋と出会わせてくれた。『諦めなければ、夢は叶う』『こんな、2度目のチャンスがあっていいはずだ』。直球だが、この2つのテーマは全世代に届くはずだと思いました。将棋と瀬川さんに魅了され、テーマをリアルに体現できるのは松田さんしかいないと確信しました。『青い春』で鮮烈な印象を残した豊田監督と松田さんが16年の歳月を経て、タッグを組むことに多くの人が賛同してくれたと思います」

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