三代目JSB・今市隆二、夢-ATSUSHIのように単独ドーム公演

スポーツ報知
三代目J Soul Brothersのボーカル・今市隆二(カメラ・小泉 洋樹)

 三代目J Soul Brothersのボーカル・今市隆二(31)のソロプロジェクトがスタートした。12日に配信した「ONE DAY」から3か月連続でのリリースを開始。第3弾となる「Thank you」はあこがれの米アーティスト、ブライアン・マックナイト(48)の家にホームステイして作り上げた作品で「今後の自分の核となる歌」という。「ソロではグループとは違った色を出したい。目標はドームでの(単独)ライブです」と意欲を見せる一方で「三代目のメンバーは最高。長くやっていきたい」とも。デビューまでの歩みや三代目JSBのことを聞いた。

 今市のソロ作品が初めて世に出たのは2015年。三代目JSBのアルバム「PLANET SEVEN」に収録された「All LOVE」だ。以降アルバムや企画盤に収録された作品はあったが、ソロプロジェクトではR&Bにこだわり、第1弾に選んだのは「ONE DAY」だった。

 「三代目のボーカルがやるからには、グループとは違ったことをやらなくちゃいけないし、ソロをやる時は大好きなR&B色を前面に出したいと思っていたので、そこはこだわりました。曲を提供してくれたSTYさんは『R.Y.U.S.E.I.』の作家さんで信頼関係もあり安心していました。洋楽っぽいドープ(カッコいい)な作品ですが、日本人が喜ぶようなJポップの枠でいい具合にミックスできていると思います」

 来月配信の「Angel」はトヨタのCM曲。第3弾「Thank you」は今後の歌手人生に影響を与える画期的な作品だという。

 「2曲目は初めて作詞作曲した作品で、3年前から作り始めましたが、ちょっと時間がかかってしまいましたね。3曲目は自分のあこがれの洋楽シンガーのブライアン・マックナイト【※】の自宅にホームステイして作りました。自分の核となるというか、自分が歌い継いでいく心の真ん中にある思いを表現した作品です。僕の詞にブライアンが曲をつけてくれました」

 ―昨年6月から2か月間もロスに滞在した。

 「曲をいただくだけではなく意思疎通できて作品を作りたい―。仲介していただいた方に話をすると『ホームステイがいいかもね』となり、トントン拍子に進みました。ブライアンには愛を感じました。知らないアジア人が急に家に来て暮らすワケですよ。自分なら無理かなと思いますが、ちゃんと迎え入れてくれました。ロスでの2か月は人生の中でも濃い経験で宝物です」

 目標はソロのライブ。過去に1人でステージを務めたことはあったが…。

 「『All LOVE』を発表した時のイベント、立たせてもらったのは360度の円形ステージで周りがお客さんだらけ。いつもなら隣に相方がいて周りに5人のパフォーマーがいるのに、いない。いかに1人でやることが大変なのか痛感しました。それをATSUSHIさんは6大ドームでやっています。ソロをやると1人でドームってすごいなって身に染みて分かります。僕もドーム公演は目標です」

 この世界に入るきっかけはEXILEへのあこがれからだった。06年にボーカル・バトルに参加したが落選。そこから火が付いた。

 「ATSUSHIさんの歌声が好きで『ASAYAN』(テレ東)からずっと追いかけていました。元々歌が好きで中学では週6、7ぐらい友人とカラオケに行っては、GLAYさんとかミスチルさんとかジャンル問わず歌っていました。TAKAHIROさんが合格したオーディションに自分も応募しましたが、夢を本当にかなえようという本気度はなかった。職人をやっていた20歳前の頃で、オーディションを受けて夢を大っぴらに言うのがこっぱずかしい自分もいました。2次審査の時にはかなりの勢いで足が震えていて、もうダメだと。実力の30%も緊張で出せなかったのが悔しくて…」

 ―そこから火が付いた。

 「はい。朝から職人として働いて、夕方からボイストレーニングに通う生活。オーディションも細かく選ばず、とにかく引っかかりたいという思いで週1、週2ぐらいのペースで100本以上受けました。もし合格していたら三代目はなかったかも(笑い)。2回目のボーカル・バトルの時には『これしかない』と。4年もボイトレを受けて自信というか『絶対に俺が行く』という確信めいたものもありました。ただ年齢的にも24歳、これが最後の挑戦かなと思う自分もいました」

 審査が進む中で「俺が絶対に行く」という思いに変化が出てきた。ライバル同士ながら候補者たちに連帯感が芽生えていたそうだ。

 「(最終審査の)赤坂BLITZに向けて山中湖で合宿をしたり、レッスンやジムに行ったり。ちょっとした“青春”でした。みんな一生懸命やっていて、歌い終わった後は達成感の方が強くて『誰が受かっても恨みもしないし』という空気でした。『合格者は今市君と登坂君』と読み上げられた時は夢を追っかけた時間が長過ぎたから、迷惑をかけた親や友人をこれで安心させられると思いました。でも、落ちた仲間を考えると『ヨッシャー』という気にもなれず、みんなの分まで頑張ると心で誓っていました」

 最終審査から2か月後に三代目JSBがデビューする。多忙の中で互いの結束を誓い合った場所があった。

 「合格の翌日からレコーディングで、喜びをかみしめる時間もなかったです。忘れもしないのがデビュー前日。出陣式ではないのですが、リーダー2人(NAOTO、小林直己)をのぞく5人で学芸大学の立ち蕎麦(そば)に行って『ついに明日から始まる。頑張ってやっていこう』と励まし合いました。これって結構、画(え)になりませんか(笑い)。そして川崎ラゾーナでのデビューイベントには1万8000人のファンが来てくれて、2年後にはアリーナをやらせてもらい、5年後にはドームツアーですから。本当に恵まれていると思います」

 LDH所属のグループの中でも三代目のメンバー同士の仲の良さはファンの間でも有名だ。同じボーカルとして登坂広臣とも刺激し合っているそうだ。

 「臣とはすごくいい関係です。最初の頃は自分の方が経験値もあったので、引っ張っていかなきゃとの思いはありましたね。まぁ同い年で変な上下関係もないし、特に細かく会話を交わさなくても分かり合えています。自分ら2人だけじゃなくメンバー7人仲いいですよ。最近はNAOTOさんが飯場(めしば)を作ってくれてます。酒が入ると本音を言い合うし、7人集まるとめっちゃ楽しいんですよ。垣根のないところが三代目の良さだと思うし、仲の良さ、絆感がパフォーマンスにも出ている。長くこのグループをやっていきたいです」

 ―今年は先輩のEXILEが再始動するが。

 「三代目の役割もありますから僕らなりにしっかりやりたい。(今夏発売する)アルバムも順調に進んでいます。自分と臣のソロアルバムも付いて3枚組みとなる予定です。三代目に僕と臣、それぞれ色も違うので聴き応えあると思います」

 根が正直でウソがつけない熱血漢。硬派な風貌からの艶(つや)のある声と、時折見せる笑顔のギャップが魅力だ。彼の朗読劇も見てみたい。(ペン・国分 敦)

 ◆EXILEと違うオリジナルを作る

 EXILEはあこがれとともに少なからずライバル意識も…。今市にとっては特別な存在なのである。

 「ずっとEXILEになりたいと思っていましたが、パフォーマンス見るとやっぱりカッコいいですね。三代目よりも経験値はEXILEの方があるのですが、立っているフィールドは一緒なので『負けないぞ』ではないですが、自分たちのオリジナルを作らないといけないという思いはあります。(EXILEのボーカルになりたい?)元々なりたいと思っていたので、そう思った時期も正直ありました。でも三代目のボーカルですし、ここでもっと頑張らないといけないと思っています(笑い)」

 ◆今市 隆二(いまいち・りゅうじ)1986年9月2日、京都府生まれ。31歳。2006年に「VOCAL BATTLE AUDITION」に参加するも2次審査で落選。10年の「VOCAL―2」に参加し合格、登坂広臣とともに三代目J Soul Brothersのボーカルに。同年に「Best Friend’s Girl」でデビュー。14年にアルバム収録曲「PRIDE」を作詞。15年にソロ楽曲「All LOVE」を発表。18年1月から3か月連続でシングルを配信する。身長175センチ、血液型A。好きなタイプは「笑顔がステキでリスペクトできる人」。

芸能

×