桜田ひより、「テレビで見ない日はない女優さんになる」映画「咲―Saki―…」公開中

スポーツ報知
「この作品で自分の殻を破れた」と笑顔で語った桜田ひより(カメラ・清水 武)

 5歳で子役デビューし、芸能生活10年を迎える女優の桜田ひより(15)が「咲―Saki―阿知賀編episode of side―A」(公開中、小沼雄一監督)で映画初主演を果たした。麻雀(マージャン)で全国制覇を目指す女子高生役。自身初の学園もので、「陰のある役」が多かったこれまでとは一転、元気な主人公を熱演し「100点。自分の殻を破れた」と自画自賛した。着実に演技に磨きをかける15歳の思いを聞いた。

 14歳でオファーが届いた初主演映画で挑んだのは、経験も知識もない麻雀だった。

 「まさか、ですよね。うれしいと同時に緊張と不安がすごくあった。最初は牌(パイ)の名前を覚えるのが大変だったけど、撮影前に(劇中の阿知賀女子学院)麻雀部のみんなと一緒に練習して一体感ができた」

 クランクイン1か月前の昨年8月、専門家の指導を受けて共演者と猛特訓した。

 「夏の思い出は麻雀しかない(笑い)。ポケットがあるズボンをはいて牌をいつも持ち歩いてました。牌の持ち方、打ち方、ポンとかチーのスライドさせるやり方が難しくて。家で自主練習したり、スマホのアプリでメンバーと通信対戦して上達しました。一回、練習で国士無双(役満)をツモったんです!運を全部使い果たした気がしました」

 明るく元気な麻雀部の大将・高鴨穏乃(たかかも・しずの)を演じた。

 「自分と似て体を動かすことが好きで、元気でポジティブな子なので、すんなり役に入っていけた。原作漫画を何度も読んで、座り方、打ち方の癖、声の高さを考えました。監督のアドバイス、教科書の原作漫画に助けられて、理想通りに演じられたと思います」

 昨年12月にTBS系で放送された同作のドラマ版で初主演。主題歌「笑顔ノ花/春~spring~」も初めて担当した。

 「初めてが詰まった作品になりました。5年、10年たっても、いくつになっても初心に戻れる作品だと思う。またこのメンバーでお仕事ができるといいな」

 共演は浜辺美波(17)、フェアリーズ・伊藤萌々香(20)ら同世代の女性キャスト約50人。最年少ながら座長を務めた。

 「学園ものの作品が初めてで、『どこの化粧品がいい』とか話したり、本当の女子校みたいで楽しかった。女優、アイドル、モデルとみんないろんな分野で活動してるので、助け合ってた感じある。みんなすごくかわいいので、映り方とかを見て研究してた」

 初主演作は「100点」との自己採点。将棋に続き、映画から広がる麻雀ブームに期待がかかる。

 「麻雀のアプリもあるし、若い人にもこの作品を通して楽しさを知ってもらいたい。難しいイメージが強いし、麻雀の卓もあまり身近にない。でも、上がり牌が来た時のあの興奮とか、楽しさをみんなに広めていきます」

 5歳で子役を始め、今年で芸能生活10年。11歳だった14年、日本テレビ系「明日、ママがいない」で児童養護施設に預けられた子供を演じて注目を浴びた。

 「10年目ですけど、まだまだひよっこです(笑い)。『明日―』は初めてレギュラー出演した連ドラで、いろいろ吸収して新たな一歩を踏み出せた。その後も何かを背負った陰のある役が多くて元気な役はあまりなくて、『咲―』の役ですごく自分の殻を破れました」

 昨年は映画「東京喰種 トーキョーグール」で怪物・喰種(グール)役を熱演。今月27日公開の「祈りの幕が下りる時」では松嶋菜々子(44)の幼少期を演じるなど、着実に経験を重ねている。

 「『祈り―』は複雑な家庭の女の子の役で、また新たな引き出しができました。完成した作品を見て、この作品に出られてよかったと純粋に思った。去年は映画、舞台とたくさんの初めてを経験できた。今年は高校生になるので、さらにいろんな挑戦をしていきたい」

 目標の女優には、15年に映画「さいはてにて―」で共演した永作博美(47)を挙げた。

 「能登半島で1か月間ロケした時、主役の永作さんが撮影の合間にコーヒーを入れてスタッフさんに配ってたんです。永作さんのように、周りに気を使える女優さんになりたい。理想は365日、テレビで見ない日はない女優さん。そのためには苦手なバラエティー番組も出ないといけないですね(笑い)」

 あらすじ

 「咲―Saki―阿知賀編episode of side―A」 小林立氏による人気漫画を実写化。舞台は麻雀の競技人口が1億人を超え、メジャーとなった世界。主人公・高鴨穏乃(桜田)が親友だった麻雀少女と再戦するため、奈良県代表「阿知賀女子学院」麻雀部の仲間と全国制覇を目指す物語。112分。

 ◆桜田(さくらだ) ひより 2002年12月19日、千葉県生まれ。15歳。5歳から子役で活躍し、13年テレビ朝日系「冤罪死刑」でドラマデビュー。14年日本テレビ系「明日、ママがいない」で脚光を浴びる。主な出演映画は「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」「脳内ポイズンベリー」(ともに15年)。17年「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」で舞台初出演。趣味はジョギング、メイク研究。身長158センチ。血液型A。

 小沼雄一監督

 「キャストの人数が多くて年齢が一番下という中で、積極的にコミュニケーションを取っていた。背が小さくて、活発な穏乃役はピッタリ。漫画のイメージが固定されてる中で3次元で表現するのは難しいけれど、原作をしっかり読んで研究して、想定してた以上のものを出してくれた。麻雀も他人より1・5倍くらい猛練習してて、俺よりうまいかもしれない。どんな作品でも主役ができる能力があるので、将来が楽しみ」

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