登坂淳一アナ、メインキャスター辞退 フジテレビの“夕方改革”頓挫 就任発表から10日

スポーツ報知
登坂淳一アナ(中)

 フジテレビが26日、4月2日からスタートする夕方の報道番組「プライムニュース」について、メインキャスターに起用されていた元NHKの登坂淳一アナウンサー(46)の起用を取りやめることを発表した。登坂アナは、25日発売の「週刊文春」(文芸春秋)で、NHK札幌局時代のセクハラ疑惑が報じられていた。同局によると、25日夜に所属事務所を通じて本人から出演辞退の申し出があった。宮内正喜社長(73)が4月改編の目玉とした番組だったが、出だしから頓挫する形となった。

 フジテレビの夕方の新たな顔として新報道番組のキャスター就任発表から10日。登坂アナが、番組開始前に出演辞退に追い込まれた。

 疑惑を報じた「週刊文春」は、登坂アナがNHKのアナウンサーを務めていた11年6月に北海道内の飲食店で女性契約キャスターの太ももを触ったり、無理やりキスを迫るなどのセクハラ行為を行ったとしている。

 登坂アナはこの日、所属事務所・ホリプロを通じてコメントを発表。「報道内容については、身に覚えのないことも多く、困惑するような内容で非常に残念ではありますが、大事な新番組を傷つけることは本意でなく、自ら身を引く潔さも大切と思い至るようになりました」と出演辞退の理由を説明した。ホリプロは、今後も登坂アナのマネージメントを続けると表明した。

報道内容困惑も「潔さも大切と」 97年にNHKに入局した登坂アナは、公家のような上品な語り口から「NHKの麿」として人気に。札幌、大阪、鹿児島放送局を経て、今月11日にNHKを退局した。

 フジテレビ、ホリプロともに登坂アナへの事前の身辺調査を行い、問題なしと判断して起用が決まったが、登坂アナのセクハラ疑惑はテレビ関係者の間では有名だったという。この日、フジテレビの岸本一朗専務は「経過は申し上げられないが、現場も一体になって情報収集した上での判断」と語った。

 近年、視聴率低迷が懸念される同局。特に夕方のニュース番組は他局を下回ることが多く、番組強化が喫緊の課題だった。そこで、昨年6月末に社長就任した宮内社長が目を付けたとされるのが「プライムニュース」だった。

 同番組は、BSフジで2009年から放送開始した「BSフジLIVE プライムニュース」(月~金曜・後8時)を地上波、CS、インターネットとともに放送することでブランド化を狙ったもの。BSフジ前社長だった宮内社長肝いりの番組といえるだけに登坂アナの辞退は大きな痛手だ。宮内社長は「このような結果になり大変残念」と遺憾の意を示した。

 同局では16年3月、翌月スタートの新番組「ユアタイム」のキャスターを務める予定だったショーンKの経歴詐称が発覚し、番組開始前に降板。同じような失態に岸本専務は「教訓を生かし切れなかった」と謝罪。平日夕方の「ニュース戦争」で、痛いつまづきとなった。

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