朝ドラ初の子連れヒロイン！　今年度後期「まんぷく」ヒロインに安藤サクラ

　女優・安藤サクラ（３１）が、１０月１日にスタートするＮＨＫ連続テレビ小説「まんぷく」（月～土曜・前８時、全１５１回）のヒロインに決まったと３１日、発表された。初の“子連れヒロイン”となる安藤は、大阪・中央区のＮＨＫ大阪放送局で取材会に出席し「超覚悟を決めてここに立っています」と感極まって声を震わせた。

　涙の理由は、まな娘の存在だった。昨年６月２１日に長女を出産。仕事をセーブし、初めての子育てに奮闘していた。同１０月初旬に出演オファーがあった際には「まず、ものすごく悔しくて。まさか、できるはずもない。できないことが悔しい。でもどこかでうれしくて、こんなことがあったという事実だけは夫に伝えた」と安藤。翌日、夫の俳優・柄本佑（３１）から「（ヒロインを）やったら？」と言われたが、「いやー、それは無理」と踏ん切りがつかずにいたという。

　「本当は子どもを産んだらほとんどお仕事はしないつもりでいた」というが、夫が背中を押してくれたことがきっかけとなった。朝ドラは「おひさま」（２０１１年）以来２度目の出演だが、ヒロインオーディションは何度も受けてきたという。「オーディションまでいかないうちに落ちたのもたくさんあります。けっこうギリギリ、最近まで受けてました」と明かした。あこがれだった朝ドラのヒロインが、思いもよらないタイミングで舞い込んできた。

　約１か月熟考し、１１月に出演を決めてからも、葛藤は続いた。俳優・奥田瑛二（６７）、エッセイスト・安藤和津（６９）を両親にもち、柄本の両親も柄本明（６９）、角替和枝（６３）と、言わずとしれた芸能一家。家族会議を開いた際には「義理の母が『あんた、これやらないなら、もうこの仕事やめな』と。父も『これは挑戦じゃなくて冒険だ。冒険に出てこい』と言ってくれて、難しいという空気を誰も１ミリも出さずにいてくれた」と家族に感謝した。

　戦前の大阪を舞台に、インスタントラーメンを発明した日清食品創業者の安藤百福氏をモデルにした、青年実業家の萬平を支えた妻・福子を演じる。社会的に「働き方改革」が叫ばれるなか、ＮＨＫでも撮影時間を短縮するなど実現に向けて努力している。安藤も「働き方改革も大きかったです」と明かした。

　子育てをしながら、約１０か月間という長丁場の撮影に臨むヒロインに、真鍋斎制作統括は「もちろん全面的にバックアップする。今はみんなで作戦を考えているところ」と説明した。例年より２～３週間、撮影開始を早め、その分は１日あたりの撮影時間を短縮する方向で調整。また、撮影の効率を上げるよう現場に徹底するという。

　もともと数々の映画賞を受賞するなど演技力には定評があり、物語として２０代よりは３０代あたりの比重が高くなることから、オーディションをせずに起用を決めた。「女優としても、人としても、お母ちゃんとしても、ものすごい経験になると思っています。不安はないです！」と言い切った安藤。これまでにない、新しいヒロインを作り上げていく。