安藤サクラ、朝ドラ史上初の新米ママヒロイン「覚悟を決めてやってきました」

スポーツ報知
ヒロインに抜てきされた安藤サクラ。やる気の“まんぷくポーズ”を披露(カメラ・森田 俊弥)

 NHKは31日、2018年度後期の連続テレビ小説「まんぷく」(10月1日スタート、月~土曜・前8時)のヒロインを女優の安藤サクラ(31)が務めると発表した。昨年6月、夫で俳優の柄本佑(31)との間に第1子となる長女を出産したばかりで、朝ドラ史上初の乳児を持ちながら撮影に臨むヒロインとなる。都内で会見した安藤は、オファーを受け、子育てと両立できるか1か月ほど苦悩したことを明かし「覚悟を決めてここにやってきました」と泣きながら胸中を吐露した。

 1961年度にスタートした朝ドラ「娘と私」から99作目。歴代ヒロインの中で、初めて新米ママのヒロインが誕生した。関係者によると、83年度「おしん」でヒロインの晩年を演じた乙羽信子さん(享年70)も当時“子連れ”だったが、夫の新藤兼人監督(享年100)の連れ子だったという。

 今作は戦前の大阪が舞台。安藤はインスタントラーメンを発明した日清食品創業者の安藤百福氏をモデルにした、青年実業家の萬平を支えた妻・今井(後に立花)福子を演じる。

 登壇した安藤は、最初から緊張気味。あいさつの冒頭、役名を「石田福子…、石井…」と間違え、「頭が真っ白になった」と動揺を隠せなかった。着座して少し落ち着つくと「相当な覚悟を持ってここにやってきました」と切り出した。

 昨年6月21日に待望の長女を出産。ヒロインのオーディションはこれまで何度も受けてきたが、「朝ドラは憧れだったけど子供も産んでおばちゃんだし、もう考えてなかった」。今作はオーディションはなく、キャスティングによって昨年10月にオファーを受けた。

 子育てと両立できるか、不安が大きかった。大阪放送局制作のため、自宅のある東京から大阪に約10か月間“移住”しなくてはならない。さらに夫と離ればなれで初めての育児をこなすのは難しいと考え、オファーを断るつもりだった。だが夫に話すと、意外にも「バカなふりしてやってみなよ」と背中を押された。

 1か月熟考し、11月に出演を決めたが葛藤は続いた。俳優・奥田瑛二、エッセイスト・安藤和津を両親に持ち、柄本の両親も柄本明、角替和枝という芸能一家。家族会議を開いた際、角替は「あんた、これやらないなら、もうこの仕事やめなさい」と猛ゲキ。奥田も「これは挑戦じゃなくて冒険だ。冒険に出ろ」と激励したという。「家族に励まされて、やってみようと思った」と涙を拭った。

 今月18日、32歳を迎える。朝ドラの30代ヒロインも極めて異例。今回は子役のシーンがなく、安藤は第1話から登場する。人間ドックも受け万全の態勢だ。朝ドラは「おひさま」(2011年)以来2度目。「32歳が演じる、お若い年齢のシーンがあるのですが、そこは温かい目で見ていただけたら」と最後は笑いを誘うほど持ち直していた。

 ◆安藤 サクラ(あんどう・さくら)1986年2月18日、東京都生まれ。31歳。奥田瑛二とエッセイスト・安藤和津の次女。姉は映画監督の安藤桃子。07年、映画「風の外側」で女優デビュー。その後、映画を中心に活動。09年、「愛のむきだし」でヨコハマ映画祭助演女優賞、12年に「愛と誠」「その夜の侍」で報知映画賞助演女優賞を受賞。13年、「かぞくのくに」でブルーリボン賞主演女優賞受賞。12年3月、俳優の柄本佑と結婚。17年6月に長女出産。

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