藤井聡太六段が師匠・杉本昌隆七段を破り“恩返し”「いい経験に」

スポーツ報知
杉本昌隆七段(右)と感想戦を行う藤井聡太六段

 将棋界初の「中学生六段」となった藤井聡太六段(15)が8日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された王将戦一次予選2回戦で、師匠の杉本昌隆七段(49)に千日手成立の指し直し局で111手で勝ち、初の師弟対決で“恩返し”を果たした。

 これで公式戦14連勝。通算成績を69勝11敗とした。

 小学4年時に弟子入りした師匠と、プロとして初めて盤上で火花を散らすとあって、報道陣は昨年の“29連勝街道”のさなかを思わせる23社約50人が詰めかけた。

 午前10時、振り駒で先手となった師匠・杉本七段は、戦前に「せっかくなのでじっくり指したい」と話していたように、2分間、ゆっくりと思いを巡らせてから初手を指したが、対局開始の3時間18分後、杉本七段の59手目で、同じ局面が4回出て「千日手」が成立。30分後の午後1時48分から指し直された。

 藤井六段の公式戦での千日手成立は、昨年6月2日の澤田真吾六段戦、同8月24日の豊島将之八段(27)戦以来、3度目だった。

 藤井六段は「公式戦で対局できるのは楽しみにしていました。対局に関してはいつも通りの気持ちでした。とてもいい経験になりました」。杉本七段は「同じ関西(所属の)棋士なので、またいつか機会があるはず。その時はさらに成長していると思いますが、もう一回、対局したい」と話した。

 藤井六段の次回公式戦は順位戦C級2組の三枚堂達也六段(24)戦。昨年7月のYAMADAチャレンジ杯で、デビューから2度目の黒星を喫した相手で、リベンジを期す。

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