森田剛という男 蜷川幸雄氏の「魂」がキューピッド 宮沢りえと結婚

スポーツ報知
宮沢りえ

 宮沢りえ(44)との結婚を電撃発表したV6・森田剛(39)は異色のアイドルだ。無精ヒゲをたたえたワイルドでやんちゃな見た目とは裏腹に、ものすごく純粋でシャイな一面もある。りえはそのアンバランスさや、表現者としての方向性にもひかれ、ともに人生を歩むことを決めた。

 森田は1993年にジャニーズ事務所に入所。ジャニーズJr.時代からトップクラスの人気を誇り、三宅健(38)と「剛健コンビ」と呼ばれるツートップだった。95年に初めてジャニーズJr.だけで興行を打った際にメインを張ったのも剛健コンビ。のちに滝沢秀明(35)らが受け継いだ「ジャニーズJr.ブーム」の礎を作り、「Jr.ブランド」を確立した功労者でもある。

 森田は95年9月に「V6」の一員としてデビュー。当時は演技力よりも、そのしなやかなダンスが武器だった。技術や基礎よりも、自然ににじみ出る表現力が持ち味。唯一無二のダンスには、ジャニーズの後輩からも熱狂的なファンが多い。一方で、口下手で恥ずかしがり屋な性格は、ときにインタビュアー泣かせと言われることもあった。リップサービスはないが、放つ言葉はいつも本音。少年のようなピュアさを今でもたたえている。

 20代後半になると、俳優としての評価が急上昇。それまでもテレビドラマや映画の主演はあったが、05年に劇団☆新感線の舞台「荒神~AraJinn~」で舞台初主演し、役者としての魅力が花開く。作品を重ねるごとにすごみを増していき、とりわけナイーブで、社会から疎外されたような男の叫びを演じさせるとピカイチ。蜷川幸雄氏(16年死去、享年80)、宮本亜門氏(60)ら演劇界の大物からも高い評価を受けていた。

 りえとの交際のきっかけになったのも蜷川氏の追悼舞台「ビニールの城」。ともに蜷川氏から絶大な信頼を受けていた2人は、その教えの理解者。憑依型でありながら、芯の強い演技が合わさることで、舞台上でも強烈な輝きを放っていた。蜷川氏はもうこの世にはいないが、その演劇魂がキューピッドとなり、2人をゴールインに導いた。

芸能

×