あわや「助太刀」の出番なし…藤井聡太六段が子ども指導対局参加も「私を使うまでもなく強い」

スポーツ報知
佐藤康光九段(右)の指導対局を見つめる藤井聡太六段(左)

 愛知・名古屋城の本丸御殿で、名古屋市などが主催する将棋イベント「名古屋城こども王位戦」の決勝大会が開かれた。東海地方に在住し、予選を勝ち抜いた小学1年~中学3年の各学年4人、計35人(1人病欠)が、それぞれの学年で優勝を争った。

 優勝した9人は、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(48)との指導対局に臨み、地元・愛知の若きスーパースター・藤井聡太六段(15)が、子ども棋士の“助っ人”として参加した。

 優勝者の9人にはそれぞれ、藤井六段が一手だけ代わりに指してくれる「助太刀」のカードが配布された。しかし、ハンデ(駒落ち)ありとはいえ、永世棋聖と対戦できるせっかくのチャンスとあって、誰もカードを使わず、佐藤会長を負かすつわものが続出。藤井六段は所在なさげに盤をパトロールし、指導対局が終わった参加者に詰将棋の問題をプレゼントしていた。

 大会スケジュールが押している最後の最後に、劣勢だった中学2年の参加者が「助太刀」カードを使用。藤井六段は局面を見て、あごに手をやり、1分以上“長考”して、代わりの一手を指したが、これは結局、佐藤会長の勝ち。助太刀とはいかなかった。

 藤井六段は「皆さん強くて、私を使うまでもなかった」と会場を笑わせた。

 香落ちで佐藤会長を負かした中学3年の部の優勝者・中川悠理さん=名古屋市名東区=は「藤井六段とは同世代。いつか戦ってみたい。夢はプロ棋士」と話した。

将棋・囲碁

×