乳がんで療養中の藤山直美、1年11か月ぶり舞台復帰へ

スポーツ報知
笑顔の藤山直美(「おもろい女」から)

 初期の乳がんで療養中の女優・藤山直美(59)が、10月の東京・シアタークリエ公演「おもろい女」(田村孝裕演出、8~29日)で、1年11か月ぶり(2016年11月・大阪松竹座以来)に舞台復帰することが1日、決まった。「全力で精進させていただく」とコメントする直美は、ファンを自任する阪神・西岡剛とロック歌手・矢沢永吉が闘病の支えになっていることを明かした。

 四半世紀以上、座長として働きづめできたが、昨年1月の検査で乳がんと診断された。同3月に手術を受け、同月からの舞台は降板に。その降板作が今回復帰する「おもろい女」だった。降板発表後は「万全の体調でお会いできるよう」治療に専念。いまも月1度の診察を続け「食事や洗濯など家事などで体力を戻し、極力歩くようにしています」とゆっくりではあるが順調に回復しているという。

 精神的な支えが“むすこ”“おかん”と呼び合い「試合での活躍が楽しみ」と話す西岡と、長年ファンを公言する矢沢の存在。「矢沢さんのDVDやCDで身震いしながら(自分も)歌っている時が至福のとき」と話すほど。闘病の悲愴(ひそう)感を見せないところが喜劇女優の直美らしい。

 しかしコメントには大事な一言が含まれている。「師走(12月)に還暦になるので身の丈に合った役者の生活をしていきたい」。直美にとって、この年齢は特別の意味を持つ。父で昭和の喜劇王といわれた藤山寛美さんが90年に旅立ったのが60歳だった。偶然にも、この時期に自分を深く見つめ直す機会を得た。

 “身の丈”には、かつてのような心身がすり減る忙殺状態だった仕事スタイルを変えるというメッセージが込められている。しかし少しセーブしながらも完璧主義の直美のこと。パワー全開の舞台姿を見せてくれそうだ。

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