金井六段、魅せる喜び…34年ぶり新タイトル「叡王戦」

2018年4月17日16時0分  スポーツ報知
  • 金井恒太六段

 今期、34年ぶりの新タイトル戦となった第3期叡王戦決勝7番勝負が14日、名古屋市で開幕した。いずれもタイトル戦初登場となる金井恒太六段(31)と高見泰地(たいち)六段(24)による顔合わせ。どちらが勝っても「初タイトル獲得」となる勝負は68年ぶりだ。雌伏の時から一気に栄光をつかむのはどちらか。決戦前夜の両者に胸の内を聞いた。(北野 新太)

 「将棋を指している自分が本当の自分。全力を尽くしている姿を見ていただいて、心に届くものがあったらと思います」

 柔らかな笑顔と朗らかな声で金井は決戦への思いを語る。

 「高見さんは終盤の強さに出足の良さが加わり、勢いがあります。また、ファンの方々へのサービス精神が旺盛で、常に将棋界のことを考えてくれている若手で頼もしいです」

 小学6年時の1998年、衛星放送で名人戦を観戦しながら、深く心を動かされた。「最終第7局で谷川浩司名人が自分の得意戦法である『角換わり』ではなく、挑戦者の佐藤康光さんが得意とする『矢倉』を受けて立って負けた。2年後、今度は佐藤名人が最終局で挑戦者の丸山忠久さんが得意な『角換わり』を堂々と受けて立って敗れた。勝敗を超越した部分で響くものがあって、子供心にすごく感動したんです」

 実利を追求する時代に、美しいものにひかれる。幼少期、将棋と同時にピアノを始めた。今も鍵盤に向かう。「絶対音感はないのですが、耳で聴いた音を再現する特訓をしまして。高く響けば何の音か分かります。例えば百貨店にいて、いいなと思ったメロディーがあったら自宅で再現したりします。それが趣味ですね」

 格調高い棋風で「剛直流」を称される郷田真隆九段(47)の将棋を理想とする。「タイトル戦に臨む上で、ありがたいお言葉をいただきました。番勝負に出られてうれしいとか、感謝の気持ちを伝えたいという思いがあっても…。『最後は勝つか負けるかだから』と」

 ◆金井 恒太(かない・こうた)1986年5月25日、オーストリア・ウィーン生まれ。埼玉県上尾市育ち。31歳。飯野健二七段門下。99年、奨励会入会。2007年、四段昇段。08年、将棋大賞連勝賞受賞。法大キャリアデザイン学部卒。竜王戦5組、順位戦C級1組。居飛車党。ピアノの得意曲は「Once in a blue moon」。

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