長谷川博己「光秀」は1年天下…最新研究と新解釈反映“大河新時代”謀反人イメージ覆す

スポーツ報知
念願の大河初主演にガッツポーズで気合を込める長谷川博己

 2020年放送のNHK大河ドラマの制作発表が19日、東京・渋谷の同局で行われ、タイトルは「麒麟(きりん)がくる」(日曜・後8時)で、主人公の戦国武将・明智光秀を長谷川博己(41)が演じることが発表された。長谷川は初の大河主演で、日本史を代表する裏切り者の役。「イメージでは『反逆者』という感じ」と苦笑いしながらも「光秀は三日天下ですけど、僕はやり遂げた後に1年ぐらい天下が欲しい」と意気込みを語った。

 思わず笑顔が引きつった。シックなグレーのスーツに黒いネクタイ。見た目もダークな衣装に身を包んだ長谷川に報道陣から質問が飛んだ。「オファーの前、明智光秀にはどういうイメージがありましたか?」

 死後400年以上たった今でも裏切り者の代名詞として真っ先に名前が挙がる戦国武将。大河の主人公になるのは初めてだ。長谷川は「あの~。あまりちょっとここでお話しできないこともあるけど…」と戸惑いながらも「イメージでは『反逆者』という感じ」と正直に回答。だが「でも本能寺の変の後で死んだ、とされているけど生きていたんじゃないかなという話もある。夢があっていいなと思う」と前向きに続けると、脚本を手掛ける隣の池端俊策氏に「という感じで大丈夫ですか?」と確認した。

 今作は「大河新時代」と銘打ち、最新の研究と新解釈を反映させ、謀反人のイメージを覆す勇猛果敢で理知的な光秀像を作り上げる。ドラマは史料がほとんど残っていない20代の青年期も描かれる。斎藤道三や織田信長に仕え、最後は本能寺の変で謀反を果たす光秀の前半生に光を当て、足利義昭、今川義元、細川藤孝、松永久秀らくせ者たちの激動の群像劇が描かれる。

 91年の「太平記」も手掛けた池端氏は「秀吉ですら信長の信頼を得るのに20年かかった。それを14年で追いついた光秀の人間的魅力を描きたかった」。長谷川の起用理由について、同局制作統括の落合将氏は「迷いながら自らの魂に従って生きていく繊細かつ強靱(きょうじん)な光秀像は長谷川さんなくして実現できない」と説明した。

 長谷川は今秋スタートの同局連続テレビ小説「まんぷく」でヒロインの夫役を演じることが決まっている。「麒麟―」の撮影は来年の6月からで、NHKの国民的番組をはしごするハードスケジュールになるが「光秀は三日天下ですけど、僕はこれをやり遂げた後に1年ぐらい天下が欲しいな」と笑わせた。

 ◆長谷川 博己(はせがわ・ひろき)1977年3月7日、東京都生まれ。41歳。01年に文学座養成所に入所し、座員に昇格後の06年に退所。10年のNHKドラマ「セカンドバージン」でブレイク。11年にはテレビ東京系「鈴木先生」で連ドラ初主演。主な出演作に日テレ系「家政婦のミタ」(11年)、TBS系「小さな巨人」(17年)、映画「シン・ゴジラ」(16年)など。

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