5・23デビューのキンプリ岩橋玄樹、良くも悪くも注目される「巨人軍のようになりたい」

スポーツ報知
~vol・17~

 6人組「King&Prince」が、23日にシングル「シンデレラガール」でCDデビューする。同事務所からは14年4月「ジャニーズWEST」以来4年ぶりのデビュー。岩橋玄樹(21)は「ワクワクします。もうしてきました」と待ちきれない様子。今年まで雑誌「Myojo」が選ぶ「恋人にしたいJr.」では5年連続1位に選ばれ「かわいいキャラ」を自負する。グループ名に負けないために“アンチ”も歓迎するたくましい精神で「(プロ野球の)巨人軍のような存在になりたい」と誓った。

 CDデビューに向け、岩橋の鼓動は日に日に高鳴っている。デビューに向けた動きの中で、Jr.だった頃との違いも感じている。5日にはTBS系音楽番組「COUNT DOWN TV」(土曜・深夜0時58分)に初出演する。

 「いろいろなテレビに出ることも多くなって、こういうのは今までなかったなと。テレビで(先輩たちを)見ていた光景。プライベートではJr.のときと変わらないし、逆にちょっと今は落ち着いた。今までは先輩のバックについて、レッスンして、というのがあったけど、今は本当に自分たちだけのことで本当にいろんなことを計画してやっています」

 1月17日にジャニーズ事務所と大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」が合同で設立した新レーベル「Johnny’s Universe」の第1弾アーティストとしてデビューすることが発表された。会見当日朝にデビューを知らされた。

 「会見の日の朝はめっちゃ雨が降っていたんです。朝、普通に電話がかかってきて。何ですかね。ずっと家でキョロキョロしてました。とりあえず会見で何言ったらいいのかな、とか。現実だけど、気持ちの整理が全然できませんでした」

 3月15日にはファン1000人の前でデビュー曲を初披露した。そのときもデビューが決まった実感は、まだなかった。現実を受け止めたのは最近のこと。平野紫耀(21)が出演し、デビュー曲が主題歌に起用されたTBS系ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」(火曜・後10時)の放送が始まってからだ。

 「もちろんリアルタイムで見て、自分たちの曲が流れているのを初めて聴いて、鳥肌が立ちました」

 6人は15年にテレビ朝日のイベントの応援サポーターユニット「Mr.King VS Mr.Prince」として結成。その後は3人ずつ「Mr.KING」「Prince」に分かれて活動。デビューは6人がジャニー喜多川社長に“直訴”してつかんだ夢切符だった。

 「僕らが直談判したみたいに思われているけど、少し違うんです。Jr.が何年もデビューしてない中で『デビューさせてください!』って言ったわけじゃなく。6人で『僕らこういうふうに考えている。年もあるし、やりたいこともいっぱいあるし、Jr.のくくりのままだと限られることもあるから、こういうふうにしてみたいな』って気持ちを伝えにいったという感じ。ジャニーさんは最初、ビックリしてましたけどね」

 昨年9月には東京・帝国劇場でジャニーズJr.だけの1か月公演「ジャニーズ YOU&ME アイランド」を成功させた。ジャニー氏の中では、すでに“デビュー組”という扱いだった。

 「ジャニーさんの中では『デビューしている人とやっていることは変わらないじゃん。舞台で主演はったり、ドラマとか出させてもらって』って。でも、僕たちが感じることとジャニーさんが感じるものは違うところもある。デビューしたら、自分たちのやりたいことや意見を取り入れてくれることも増えると思う。それはファンの人も喜んでくれるなと思ったんです」

 もともと、岩橋自身はデビューにこだわっていたわけではなかった。

 「『Prince』というグループで、どこまでできるのかというのがあった。デビューという形がなくても、逆に格好いいかなと。ジャニーズに入った当初からは、あまりデビューというのは目標じゃなかった。いま考えると不思議。何で、何をモチベーションにやっていたのかなと思うけど。Jr.でもコンサートとかをやって、応援してくれる人がいて。多分、その関係性がすごく僕の中で楽しかったんだと思う」

 3人ずつのグループで活動しながら、昨年8月にイベントで久々に6人そろってステージに立ったことで、自身を含めた6人全員の心が動いた。

 「もともと6人でやっていたので、もちろん嫌だという気持ちもなかったけど、6人でやった方が盛り上がったんです。『あっ(6人の)僕たちを求めてくれているんだ』って」

 自分たちの意思を尊重して、ジャニー氏もデビューさせることを決意した。デビュー曲も、6人が自分たちで選んだ一曲だ。

 「『選んでいいよ』って。それで、最終的な候補の6曲ぐらいから多数決で。ほかにもいっぱい聴いたけど『シンデレラガール』は一番最初に聴いた曲。でも、ずっと頭に残っていた。人って記憶に残る曲を好きになると思う。僕たちを知らない人たちが、その曲を聴いてどう思うかということを一番に考えて選んで、満場一致でした」

 6人それぞれが持つ個性の中、岩橋は「かわいいキャラ」。今年まで雑誌「Myojo」が選ぶ「恋人にしたいJr.」で5年連続1位に選ばれ「王者」のままJr.を“卒業”した。

 「かわいい路線は、みんなが目指さないところ。ジャニーズって格好いい人しかいない。“かわいい”ができる人が少ない。どっちもできるって、すごくいいと思う。それをテレビとかで言うと『何、あの子』って言われたりもするけど、それも楽しんでいます。アンチって言われても、覚えてくれるならうれしい」

 デビューが決まったことで、今まで自分たちのことを知らなかった人たちの目に触れる機会も増えた。そこで初めて気づいたことがあった。

 「大事なのは人気よりも知名度なんだと思う。知名度がなかったら、見てもらっても『誰?』ってなる。やっぱりすごい人って好きランキングも、嫌いランキングも、どっちも1位。本当のスターって、そういうことなんだと思う。だから『自分がかわいい』というのを恐れず言える。本気でかわいくできるとも思っているし。デビュー前に、そういう考えになれたのは良かった。良くも悪くもイメージをつけないと。僕はそうやって頑張りたい」

 Jr.時代から「月刊ジャイアンツ」(報知新聞社刊)で「新星☆野球王子が行く」を隔月連載中。大の野球ファン、巨人ファンだ。アンチの存在は、プロ野球界の読売巨人軍に通ずるものがある。

 「悪口言われると、逆にうれしい。どういう形であれ、自分のことを気にしてくれているということ。本当に興味がなかったら、見て終わりだと思う。たたかれる人が好きという人もいないと思うけど。巨人軍のような存在になりたい。王道だけど、良くも悪くも言われる。批判されることで成長にもつながるし、いろんなアイデアも浮かんでくると思う」

 その思いはグループとしても同じ。数々の先輩の姿を見てきたが、その中でも唯一無二のグループになろうと夢を膨らませる。

 「先輩グループとも違ったことをどんどんやっていきたい。(米国に本社がある)ユニバーサルさんからデビューさせてもらう。海外のアーティストとのフィーチャリングとかもしてみたい。何から攻めていったらいいかなと。今は本当にやりたいことで頭がいっぱいです」(ペン・畑中 祐司)

 ◆野球が“仕事”

 「月刊ジャイアンツ」での隔月連載は、スタートから1年が経過した。「僕はもう変わりましたよ。野球が“仕事”になりました」と岩橋の表情は弾む。今年からプロ野球全試合の結果、選手成績をノートに記し、勉強に励んでいる。

 2月には連載企画で巨人の沖縄キャンプを訪れ、選手への取材も経験した。事務所の先輩には野球リポーターや五輪キャスターとして活躍する中居正広(45)、日本テレビ系プロ野球中継の「ベースボールスペシャルサポーター」のKAT―TUN・亀梨和也(32)がいる。「この前も試合を見に行ったら亀梨さんがいて、悔しいな…って。僕は1人でぶつぶつ客席で解説していました(笑い)。今は雑誌で野球の魅力に触れているけど、映像でもお届けできるように」と思い描いた。

 「月刊―」最新号(24日発売)では、用具メーカーの久保田スラッガーを連載第1回のとき以来に訪問。グラブ集めを趣味に、自身で新たにオーダーしたグラブをお披露目する。

 ◆岩橋 玄樹(いわはし・げんき)1996年12月17日、東京都生まれ。21歳。2010年10月にジャニーズ事務所入所。15年にはテレビ朝日主催の夏イベントの応援サポーターとして結成されたグループ「Mr.King VS Mr.Prince」のメンバーに選ばれた。雑誌「Myojo」が選ぶ「恋人にしたいJr.」で18年まで5年連続1位を獲得。身長165センチ、血液型O。

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