宝塚雪組「凱旋門」前夜祭 18年ぶり再演の轟悠「初演メンバーに感動してもらえるように」

スポーツ報知
「いのち」を歌う(左から)真彩希帆、望海風斗、轟悠、香寿たつき、月影瞳(C)宝塚歌劇団

 宝塚歌劇の次回大劇場公演となる雪組ミュージカル「凱旋門(がいせんもん)」(脚本・柴田侑宏、演出&振り付け・謝珠栄)の前夜祭が7日、兵庫・宝塚大劇場で開催された。

 「凱旋門」はシャルル・ボワイエとイングリッド・バーグマンの共演で1948年に製作された同名映画でも知られる作品。第2次世界大戦前夜のパリで、不安を抱えながら生きる各国からの亡命者たちの姿を描く。宝塚で2000年に同じ雪組で初演。18年ぶりの再演となり、当時トップスターだった現専科の轟悠が、同じく主人公のドイツ人亡命者ラヴィックを演じる。

 前夜祭では、前作でラヴィックの友人ボリス・モロゾフを演じた香寿たつき(当時専科、後の星組トップスター)、ラヴィックの恋人ジョアン・マヅー役の月影瞳(当時雪組トップ娘役)のOG2人がゲスト出演。18年前の映像を見ながら、当時の思い出話、苦労談に花を咲かせた。

 当時、別作品に出演するため、宝塚公演しか出られなかった香寿は「さびしい思い出もありますが、心の中にすごく残っている作品」と回顧。再演について「戦争への不安、恐れを感じる事も多い時代。そんな思いも反映して、さらに深めて欲しい。謝先生のしごきに耐えて頑張ってください!」と、轟や雪組トップコンビの望海風斗、真彩希帆を激励した。

 月影も当時、轟への「吸い込まれるようなキスシーン」のエピソードを振り返り「(客席から)熱い視線を感じたら、私だと思ってください」と話し、客席を沸かせた。

 エールをおくられた轟は「遠い昔のようで、2人(香寿、月影)に会うと、ついこの間のような気持ちで、不思議な感覚」と笑顔。「今の雪組のみなさんに逆に支えられ、甘えさせてもらって、今一度、改めて作り直したい。初演メンバーが見に来た時に、さらに感動してもらえるものを」と意気込んだ。

 新世紀版は、トップ・望海の歌声を生かすために新たな演出も加わっている。ダイジェストのショーで美声を披露した望海は「お稽古場以上に新しい発見があったので、その感覚を大切に、期待してくださる以上の世界観をお届けしたい」と好演を約束した。イベントのフィナーレでは、雪組メンバーに香寿と月影も加わり、「いのち」を歌いあげた。

 宝塚大劇場で6月8日~7月9日。東京宝塚劇場では7月27日~9月2日上演。

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