“アウトレイジ超え”確実じゃ「孤狼の血」興行収入20億円へ好スタート

スポーツ報知
「全国制覇じゃ~!」の号令とともに金色のバズーカ砲を放った(左から)江口洋介、役所広司、松坂桃李、真木よう子、ピエール瀧

 俳優の役所広司(62)が主演する映画「孤狼(ころう)の血」(白石和彌監督)が12日、公開初日を迎え、興行収入20億円を見込める好スタートを切った。役所や松坂桃李(29)ら出演者は同日正午に東京で舞台あいさつを行い、夜にはオールロケした広島に凱旋した。今年、実写映画で20億円に達した作品は現段階でなく、期待どおりの盛況ぶりに、早くも続編への動きが出てきた。

 昭和63(1988)年の広島を舞台に警察や極道に生きる男たちの熱い生きざまを描いた「平成版・仁義なき戦い」がド派手なスタートを切った。試写会では完成度の高さと平成の世になかった作風の新鮮さが話題となり、R―15指定の作品としては史上最多の337スクリーンで公開。近年のヤクザ映画を代表する北野武監督の「アウトレイジ」は興行収入15億円。「アウトレイジ」超えは確実視され、平成を代表するヤクザ映画になりそうだ。

 役所、松坂、江口洋介(50)ら出演者はこの日昼、東京・丸の内TOEI〈1〉で舞台あいさつ。約500席の3分の2を女性客が占め、同劇場の前には俳優陣と公開を見届けようと、約100人のファンが集結。劇場内外とも熱気に包まれた。

 ヤクザも恐れる破天荒な刑事・大上役の役所は「みなさん、放送コードに引っかかることは言わないように」。劇中さながら“危険な共演者”たちをけん制。俳優40周年の節目での出演となり、「ぎりぎり体力が持つかなという、40周年目で出会えて幸せ」と語った。人気小説家・柚月裕子さん(50)が手掛けた原作は全3部作。「この映画がヒットすると白石監督がまた次、そのまた次と映画が作れます。柚月先生も素晴らしい原作を作ってくださっている」。続編を撮る気満々だ。

 公開前から演技力の高さで話題を集めたのは松坂。大上から影響を受け、徐々に成長していく新米刑事を演じた。「役所さんは大きく、分厚く、遠いなと感じた」といい、「この時間はかけがえのない大事な時間でした」とかみ締めた。最後は全員で「『孤狼の血』、全国制覇じゃ~!」と金色のバズーカ砲をぶっ放し、大ヒット目指して気勢を上げた。

 ◆広島でレッドカーペット

 東京でバズーカをぶっ放した役所、松坂、江口らは12日夜には、オールロケした広島に移動。広島市中区のえびす通り商店街で、「孤狼の血」公開初日レッドカーペットイベントに出席した。

 会場を埋め尽くしたファン約7000人から悲鳴のような歓声を浴びたキャストは、スマートフォンで写真を撮るなどリラックスした様子。その後の舞台あいさつで役所は「広島に戻ってきました! 今、南仏では『カンヌ国際映画祭』が行われていますが、おそらくここのレッドカーペットにはかなわないと思います」と笑顔で熱烈な歓迎に感謝した。

 撮影は昨春から夏にかけて呉市内などで行われた。江口は「撮影中に飲みに行くと、皆さんがどれだけ極道の映画が好きかを痛感した。この土地がなければ『仁義なき戦い』もなかった」と話し、「(呉弁は)ヤクザをやるには最高の言葉」と笑いを誘っていた。

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