津川雅彦、天国の愛妻・朝丘雪路さんへ「あらゆることに感謝です」

スポーツ報知
酸素吸入器をつけ、妻・朝丘雪路さんへの感謝を語った津川雅彦(カメラ・泉 貫太)

 アルツハイマー型認知症のため4月27日に死去した女優、歌手、舞踊家の朝丘雪路(あさおか・ゆきじ、本名・加藤雪会=かとう・ゆきえ)さん(享年82)の訃報が明らかになってから一夜明けた20日、朝丘さんの夫で俳優の津川雅彦(78)が都内で会見した。生前は芸能界を代表するおしどり夫婦として知られた2人。津川は悲しみをこらえ気丈に対応し「あらゆることに感謝です」と天国の愛妻への思いを語った。

 自身も現在、肺炎を患っており自宅療養中の津川は、鼻に酸素チューブをつけ、椅子に座って取材に応じた。体調を心配する報道陣には「大丈夫じゃないね」と本音を語りつつ、最愛の妻のため、精いっぱいの力を振り絞って会見に臨んだ。

 所属事務所によると、朝丘さんは5年ほど前からアルツハイマー型認知症を患っていた。4月27日午前に自宅で容体が急変。家事手伝いの女性が仕事中だった津川、一人娘で女優の真由子(44)に連絡し、家族にみとられながら午後4時50分に息を引き取ったという。「安らかでしたよ」と津川。2人は一時別居状態だったが、3年半前に同居を再開していた。朝丘さんの遺志で今月1日に近親者のみで葬儀を執り行い、このほど京都の寺に納骨を済ませた。

 津川は「状態のことはご勘弁いただけますか」と晩年の朝丘さんの病状など詳しくは語らなかったものの、ここ数年は会話も難しかったという。「最後に会話ができたのは数か月前。顔を見て『あらっ』と言っていましたが、僕だと分かっていたのでしょうか」と壮絶な介護の苦労があったと明かし「僕が先に死んで、彼女を残すよりもいい結果になりました」と、達観した様子で話した。

 2人は大恋愛の末に結婚し、芸能界屈指のおしどり夫婦だった。朝丘さんはプレーボーイの津川に「遊んでいいのよ」と声をかけるおおらかな一面もあった。思い出を尋ねられると「残念なのは『(2人が所属する)グランパパ』のために、彼女の自宅を売らなきゃならなかったこと」としんみり。津川が社長を務める所属事務所は、08年に玩具事業が失敗し多額の負債を抱えたことから朝丘さん名義の自宅を売却し、返済に充てた。「金にキレイな人で、すんなり渡してくれました。うれしかったです」と内助の功を振り返った。

 朝丘さんの最後の仕事は14年、家族全員で共演した舞台「花や…蝶や…」。真由子が演出とプロデュースを務めた晴れ舞台だったことから「喜んでいたと思いますよ」と振り返った。津川に涙はなく「思い出は一口では言えないね。それでもすべてに感謝。娘を産んでくれたこと、家を売ってくれたこと。僕より先に死んでくれたこと…。あらゆることに感謝です」と独特の言い回しで、天国の妻に思いをはせた。

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