斬新構成、感情揺さぶる日テレドラマ「〇〇な人の末路」の遊び心

スポーツ報知
「〇〇な人の末路」のストーリーのポイントとなる喫茶店「シルビア」

 Kis―My―Ft2の横尾渉(32)、宮田俊哉(29)、二階堂高嗣(27)、千賀健永(27)が主演する日本テレビの連続ドラマ「〇〇な人の末路」(月曜・深夜0時59分)が、28日放送の6話から“第2章”に突入する。さまざまな運命を背負った登場人物の末路を1~5話で一度完結させる斬新な構成や「隠れキスマイ」など細やかな仕掛けがSNS上などで話題を呼んでいるが、そこにはバラエティー番組を多数手掛け、今回初ドラマとなる徳永清孝プロデューサー(45)の“視聴者ファースト”の番組作りが生かされている。

 変わった経験をした人物の“末路”にスポットを当て、累計14万部のヒットを記録した書籍「宝くじで1億円当たった人の末路」を原案にした同作。ドラマでは「仮想通貨で思わず大金を手に入れちゃった人」の賢太(横尾)、「事故物件を借りちゃった人」の竹雪(千賀)、「田舎でのんびり暮らしたいと思った人」の利樹(二階堂)、「日本一顧客思いのクリーニング店を経営する人」の葉一(宮田)、という29歳の青年が送る人生のそれぞれの末路が描かれる。

 導入の1話を終え、2~5話ではメンバー1人ずつ“座長”を務める回が終了し、4人の「末路」は明らかになった。…って、もう終わっちゃうの!? 「いえいえ、28日の6話から僕らは『第2章』に突入します」と徳永P。いったんストーリーを終了させる、という斬新な構成で、さらに物語は混沌(こんとん)とした深みを帯びていくことになった。

 ポイントになるのは、インターネット上などで各話「メンバーが映り込んでる」などと話題を呼んでいた、東京・西新井に実在する喫茶店「シルビア」。ここで4人は再会し、実は全員が同じ時間軸の中で過ごしていたことが6話で判明する。2~5話にもさまざまな伏線が張り巡らされてきたといい「もう一度見直していただくのも楽しいと思います。末路は終わりきってないんです」と今後の展望を明かす。

 見る側を飽きさせない構成は、バラエティー出身で、今作が初ドラマになった徳永Pのこだわりのひとつという。ゲーム会社を経て2000年に入社し、「THE夜もヒッパレ」「全日本仮装大賞」「ものまねグランプリ」などの演出を手掛けてきた徳永Pは、徹底した視聴者目線を心掛けてきた。「日テレの天才クリエイター・高橋利之さん(「行列のできる法律相談所」などを担当)の『見て面白いかどうかより、見たいかどうか』という教えは根づいています」

 あくまでも視聴者ファースト。キスマイの4人の配役にしても「本人たちの個性を、キスマイを知らない人たちにも受け入れて、好きになってもらいたかった。なのでなるべく、本人たちの根底と近い役を作っていきました」と説明する。脚本の西条みつとし氏とディスカッションを重ね、役柄を構築していった。

 さらにファンにはうれしい“遊び心”も。「各話に『キスマイいじり』を入れています。小道具に曲のタイトルを忍ばせたり…。特にこちらからアナウンスはしていませんが、気づいてクスッとしてもらえるぐらいでちょうどいいかな、という感覚で遊んでいます」

 例えば5話では、クリーニング店の宣伝をするSNSのハッシュタグに「キタキタ」「たまたま」「がやがや」と、ドラマに出演しない北山宏光(32)、玉森裕太(28)、藤ケ谷太輔(30)の愛称をしのばせるさりげなさ。ファンの間では宝探しのようになっており「隠れキスマイ」と呼ばれているという。

 6話以降に描かれる「〇〇な人」は「キラキラネームの人」など、別の登場人物の末路。「違う人物のお話を通じて4人の背景が明らかになっていきます。キーワードは『封印した過去』です」と徳永P。今後もさまざまな仕掛けで「見たい」感情を揺さぶっていくつもりだ。

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