郷ひろみ「ぽっかりと大きな穴」“秀樹ラスト公演”に新御三家が悲しみの再集結

スポーツ報知
大阪球場を模した西城秀樹さんの祭壇。通夜には約4000人が参列した(カメラ・小泉 洋樹)

 16日に急性心不全のため死去した歌手の西城秀樹(さいじょう・ひでき、本名・木本龍雄=きもと・たつお、享年63)さんの通夜が25日、東京・青山葬儀所で営まれ、西城さんとともに「新御三家」と呼ばれ親しまれた歌手の野口五郎(62)、郷ひろみ(62)ら計4000人が参列した。思わぬ形での新御三家の再集結に郷は「複雑です」としんみり。「ぽっかりと大きな穴が開いてしまった」と涙をこらえながら語った。

 1972年にデビューしてから46年。激動の時代を生きた盟友との早すぎる別れに、郷は「残念です」と肩を落とした。通夜では野口と2人で並び、焼香に立った。「手を合わせていると(亡くなった)実感がひしひしと…」。悲しみの新御三家の再集結。「こういうことになるとは想像もしてなかったので…複雑ですね」と目に涙をためながら語った。

 55年生まれの同い年ながら、誕生日もレコードデビューも数か月、西城さんが早い兄貴分だった。「僕にはないダイナミックさを持っていた。毎日のように一緒にいまして、いることが当たり前という感覚だったので、余計にぽっかり穴が開いてしまったようで…」と西城さんの不在を嘆いた。

 2016年1月、「週刊新潮」の鼎談(ていだん)で新御三家が顔を合わせたのが最後になった。「ここまで来られたのはたくさんの人に支えられた、という話をしました。僕たちは(西城さんの人生を)短いとは言うけれど、一生懸命生きたんだろうな、と思います。どうか安らかに眠ってほしい」と思いをはせた。

 斎場は、西城さんらしい“ラストコンサート”となった。祭壇は日本のソロ歌手で初となる野球場での単独コンサートを行った西城さんの功績をたたえ、大阪球場の外野席がモチーフ。ミリオダラスの花で彩られた緑色のスタジアムに、ファンをかたどった色とりどりのバラと、ペンライト代わりのLEDが埋め込まれ、光を放った。西城さんが眠るブルーのひつぎには私物の白いマイクスタンドが設置され、カクテル光線が降り注いだ。

 法名は「修音院釋秀樹(しゅうおんいんしゃくひでき)」。音楽界で歌を通じて世界中の人々に夢を与えた功績と、長く親しまれた「秀樹」の芸名を法名に用いた。26日の葬儀では野口が弔辞を読む予定。仲間でもあり親友でもあった西城さんへの別れを告げるつもりだ。

 ◆一般弔問600メートル

 ファンに向けた献花台は、西城さんのヒット曲「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」の衣装の柄だった「星条旗」をイメージした赤、青、白の花で遺影が囲まれた。一般弔問が始まる午後6時前から最大で約600メートルの長蛇の列ができ、一般弔問は計2500人を数えた=写真=。午前9時に一番乗りした新潟県の50代女性は「秀樹が人生に元気を与えてくれた」としのんだ。弔問客は「傷だらけのローラ」などをBGMに合わせて合唱。西城さんの写真を手に泣き出すファンも続出した。

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