足立梨花、一生分食べた!焼きはプロ級!主演映画「キスできる餃子」22日公開

スポーツ報知
「女優に重心を置いて、本気でバラエティーもやれる人になりたい」と抱負を語った足立梨花(カメラ・森田 俊弥)

 女優の足立梨花(25)が22日公開の主演映画「キスできる餃子」(秦建日子監督)でシングルマザー役に初挑戦した。実家の餃子(ギョーザ)店の再建に奮闘する役で、撮影前から餃子作りの修業に励み「餃子は一生分食べた。腕前はプロ級です」。ダブル主演のBOYS AND MEN・田村侑久(ゆきひさ、27)を相手に、キスあり、ビンタありのラブコメディーを体当たりで演じた。女優デビューから10年。近年は主演作が相次ぎ、石原さとみ(31)を理想に演技力に磨きをかける。

 キスと餃子―。何とも結びつきにくいタイトルに度肝を抜かれたという。

 「何じゃこりゃ! 何で餃子にキスできるんだと訳が分からなかった。でも、秦監督が三重県桑名市での『クハナ!』(16年)に続いて、宇都宮を舞台に地方創生映画を作ると聞かされて、キスギョ、面白そうだと思いました」

 イケメンの夫の浮気が原因で離婚したバツイチ子連れの陽子を演じた。

 「シングルマザーは初めて。子供がいる母の独特の空気感を出せるか不安もあった」。しっかり者の藤田美咲ちゃんが娘役。監督からは「母子より親友の感覚で接してほしい」と言われた。「お母さん感はあえて出さずに自然体でやれた。明るくて負けず嫌いで猪突(ちょとつ)猛進なところは私と似てて、やりやすかった。監督は私が作り上げた陽子に寄り添ってくれた」

 餃子の街、宇都宮を舞台に、父親に代わって実家の餃子店の再建に奮闘する役どころ。昨年8月のクランクイン前に宇都宮の先生からレシピを教わり、作り方の動画を持ち帰って家で修業した。「ゴマ油をひいて水入れて、餃子を並べてフタしてから火をかけるのがコツ。プロ級ですよ。失敗しなくなりました。撮影中は餃子を一生分食べた気分になりましたね」

 劇中のメイクは自分の手によるもの。Tシャツにエプロン、首にタオル姿の調理シーンはほぼノーメイクだった。16年の日本テレビ系ドラマ「地味にすごい! 校閲ガール・河野悦子」で共演し、事務所の先輩でもある石原の影響が大きいという。「元々肌が弱いので自分が使ってるコスメでメイクしてたけど、さとみさんの姿を見て学んだ。演じる人がどんなメイクをするか考えるようになって、餃子を焼く時は湯気が顔にかかるので薄めのメイクをしてました」

 ビンタにキスに、初共演の田村には体当たりで挑んだ。

 「タムタム(田村)に『私を信じて動かないで』と叩いたらビビってよけて、4~5回も叩きましたね。キスシーンを大勢の前ですることは元々台本に書いてなくて現場で知った。タムタムのイメージカラーの水色の浴衣を着たファンもエキストラでいて、泣きそうな顔して見られてキスをして心苦しかった」

 ここ2年で3本の映画に主演する活躍ぶり。だが、デビュー時は芝居をすることに消極的だった。

 「親が応募してオーディションを受けたので、芸能界に特別な感情は抱いてなかった。違う自分を知らない人の前で演じる芝居は恥ずかしすぎてやりたくなかった」。最初に映画「愛流通センター」の主演が決まった時も「え、嫌だ!と言ったんです(笑い)」。

 13年のNHK朝ドラ「あまちゃん」がターニングポイントになった。

 「久々にオーディションで受かった作品で、出たことで世間的な知名度が上がった。全国の皆さんが私を見てくれると思って、ちゃんと演じなきゃダメだと思った。その後に主演の連ドラをやって、主演の重みを感じて意識は変わりました」

 25歳。石原を理想に女優道を突き進む。

 「さとみさんのように芝居もうまくて男女に好かれる女優になりたい。でも、さとみさんにはなりたくない。足立梨花に憧れてスカウトキャラバンに応募する子が出てくるのが理想。女優さんに重心を置いて本気でバラエティーもやれる人になりたい。さとみさんのようなすごさはないけど、ゆっくり上っていきます」

 秦建日子(はた・たけひこ)監督の一言
「足立さんはしっかり最初から演技プランがある女優さんなので、安心して任せられました。足立さんが作ってきた役に映画が寄り添う作り方をした。最後のキスシーンで2人がステージに上がる演出の変更は、知らない方が楽しくできるかなと思ってあえて直前に伝えました。キャストのレベルが高いので、直前に伝えてもしっかり対応してくれました」

 ◆「キスできる餃子」あらすじ
 イメケン夫に浮気されて離婚した子連れのシングルマザー・藤田陽子(足立)は、栃木・宇都宮に帰郷。ケンカ別れした父親が体調不良のため閉店状態となった実家の餃子店の再建に立ち上がる。ある日、プロゴルファーの岩原亮(田村)と運命的に出会い、恋に発展する―。共演は佐野ひなこ、浅野和之ら。

 ◆足立 梨花(あだち・りか)
1992年10月16日、長崎県生まれ。25歳。2007年、ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリ。08年7月公開の映画「愛流通センター」で主演デビュー。10~12年Jリーグ特命PR部女子マネジャー(13年から名誉女子マネジャー)を務める。日本テレビ系「ヒルナンデス!」などバラエティーでも活躍。現在はフジテレビ系「限界団地」で専業主婦を好演。愛称は「あだっちぃー」。163センチ。血液型A。

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