史上最年少ルーキー藤井聡太七段、NHK杯1回戦で戦後最年長ルーキーの今泉健司四段に敗れる

スポーツ報知
藤井七段(左)と今泉四段

 将棋の第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント1回戦の藤井聡太七段(15)対今泉健司四段(45)戦が15日午前に放送され、今泉四段が勝利した。史上最年少ルーキーが戦後最年長ルーキーに敗れる結果となった。

 対局前、互いの印象や抱負を語るコーナーで、藤井七段は「今泉四段は振り飛車党で力強いさばき(駒が働けるように導くこと)を特徴とされている印象です。NHK杯は多くの方に見ていただける機会です。早指しですので思い切って良い将棋を指せたらと思っています」とコメント。今泉四段は「(藤井七段は)将棋界を背負う、代表になれる人だと思っております。1回戦から藤井七段というものすごい相手と当たって、光栄ではあるのですが、正直あまり大きなことは言えません。だけど、自分の出来る精一杯のことをやって、見ていただける視聴者の方、今泉ファンが喜んでいただけるような戦いを全力でやりたいと思います。頑張ります!」と力強く語っていた。

 互いに関西所属ながら、本局が初手合となった2人。先手番の今泉四段が得意の中飛車に構えた。今泉四段は終盤に驚異的な粘りを見せ、一時は藤井七段が勝勢だった局面を逆転。159手で勝利した。

 初出場となった今泉四段は1987年に棋士養成機関「奨励会」に入会したが、最終関門である三段リーグを突破できず、99年に年齢制限である26歳を迎えて退会した。その後、アマチュアとして活躍し、規定を満たして2007年に「奨励会三段編入試験」を受験、合格。2年間、再び三段として四段(棋士)の夢を追ったが、やはり届かなかった。

 再びアマチュア棋界で活躍し、さらに高い規定を満たして2014年に「棋士編入試験」を受験。新四段を相手に3勝1敗の成績を残し、27年間に及ぶ挑戦を実らせて棋士になった。戦後最年長、41歳のオールドルーキーだった。

 通算成績は59勝40敗。昨年度の順位戦C級2組では、藤井七段とともに全勝でトップを快走。終盤に崩れて昇級を逃したが、今後のさらなる活躍が期待される快進撃だった。

 藤井六段は2016年10月に史上最年少の14歳2か月で四段に昇段。その後は史上最多の公式戦29連勝、史上最年少での棋戦優勝、将棋大賞記録部門4冠独占、史上最年少の七段昇段など将棋史に残る活躍を続けている。通算成績は81勝15敗となった。

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