【報知映画賞】特別賞に坂本龍一ドキュメンタリー

2017年11月29日7時15分  スポーツ報知
  • 東京国際映画祭で舞台あいさつに登壇したスティーブン・ノムラ・シブル監督(左)と坂本龍一

 映画賞レースのトップを飾る「第42回報知映画賞」の各賞が28日、発表された。個人や作品をたたえる特別賞には、映画「戦場のメリークリスマス」(83年)で共演し、映画界を代表する巨匠となった2人の作品が選ばれた。自身初のシリーズものとなった「アウトレイジ」3部作を完結させた北野武監督(70)と、米アカデミー賞受賞歴もある音楽家・坂本龍一(65)を追ったドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto:CODA」のスティーブン・ノムラ・シブル監督(46)がダブル受賞した。

 「正直ビックリですけど、とても光栄に思います。報知映画賞を頂くために生まれ故郷に帰れるなんて、本当にうれしいことですね」。ニューヨーク在住のシブル監督は国際電話の声を弾ませた。

 “世界のサカモト”の知られざる素顔を2012年から5年間にわたって追った。坂本は当初は渋っていたが、監督の熱意や以前撮ったエリック・クラプトンのドキュメンタリーにひかれ撮影を受け入れた。「謙虚、そして冷静に仕事に取り組んでいる意味で坂本さんとクラプトンは似ています」。撮影途中の14年には坂本の中咽頭がんが発覚した。「命に関わる病気ですから慎重に撮影しましたが、だからこそ緊密な関係が生まれた感覚もあります」

 12年冬、東日本大震災で津波をかぶった避難所のピアノで坂本が「戦場のメリークリスマス」を弾くシーンがある。「暖房がないのでカイロで指を温め、レンズが凍らないように撮影しました」。そんな環境下でも美しいメロディーを奏でる音楽家の姿が今も心に刻まれている。

 「現実に勝るものはありません。ドキュメンタリーは面白くなっていきます」と語りつつ、劇映画製作の志も秘める。当然、音楽は坂本に依頼する? 「いや~簡単にお声掛けできる方じゃないですよ…。でも、夢としてはあります」

 ◆「Ryuichi Sakamoto:CODA」 2011年、坂本龍一は東日本大震災の被災地である宮城県名取市で津波につかったピアノと出会う―。社会活動、闘病、自然と対話しながらの創作。ベールに包まれていた世界的音楽家の素顔が初めて明らかになる。CODAとは楽曲の終結部分を指す音楽記号。

 ◆スティーブン・ノムラ・シブル(Stephen Nomura Schible)1970年、東京都生まれ。46歳。米国人の父と日本人の母との間に生まれ、18歳で渡米。ニューヨーク大で映画製作を学ぶ。2004年の「エリック・クラプトン:セッションズ・フォア・ロバートJ」を監督。

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