【報知映画賞】ニューヒーローだ!菅田将暉、4作品で主演男優賞「いつかハリウッドで…」

2017年11月29日7時0分  スポーツ報知
  • 鋭いまなざしでしっかりと未来を見据える菅田将暉。主演男優賞受賞を静かに喜んだ(カメラ・清水 武)

 映画賞レースのトップを飾る「第42回報知映画賞」の各賞が28日、発表された。「キセキ―あの日のソビト―」(兼重淳監督)、「帝一の國」(永井聡監督)、「あゝ、荒野」(公開中、岸善幸監督)、「火花」(公開中、板尾創路監督)と4つの映画で主演を務めた菅田将暉(24)が自身初となる主演男優賞に輝いた。4本の映画が対象になったのは同賞では史上初の快挙。表彰式は12月下旬に都内で行われる。

 「年男だし、主演映画も重なったので結果が出せればいいなと思っていた。すごくかなったなという気持ちです」。派手に喜ぶわけではない。自身の節目での受賞を真摯(しんし)に受け止めた。

 今年の日本映画界で見せた存在感は群を抜いている。4本の主演作による受賞は報知映画賞で初めて。デビューして8年。煮えたぎっていたマグマが一気に爆発し、菅田の時代が到来した。

 様々な顔を見せることから「カメレオン俳優」の異名を取る。「キセキ」で人気グループ「GReeeeN」のメンバーを演じたかと思えば、「帝一の國」では腹黒いエリート高校生に変身。「あゝ、荒野」では、本能のままに生きる孤独なボクサー。「火花」では、お笑いに青春を懸ける芸人を演じた。

 「―荒野」で演じた新宿新次は、壮絶な役作りで挑んだ。痩せ形だったため、筋肉増強に努め、半年間で10キロ増量。試合のシーンではまともにパンチを食らい、ろれつが回らなくなったことも。「おおお、おはようございます。あれ?って。若干パンチドランカーになりかけてた」。ライバルであり、親友だったバリカン建二(ヤン・イクチュン)とのクライマックスの試合では周りのスタッフたちも泣いていた。「歴史的というか厳かな空間でした」

 真剣な役作りの根底にあるのが俳優業への熱い思い。子供の頃から映画やドラマを見て育ち、上京して役者を目指したが、現実は甘くなかった。オーディションを受け、ファイナリストまで残っても落選する日々。それでも、わずかなツテを頼って売り込み、ようやく現在の事務所と契約。09年に「仮面ライダーW」のダブル主役を勝ち取った。「あの時演じたフィリップ(クールな青年探偵)が本当の僕に近い。オーディションに素で受かってますもん。当時は『猫背だよ』『人の目を見て話しなさい』とよく注意されました」。10代にして挫折を味わいもしたが、確固たる役者としての原点も見つけた。

 演じることができる楽しさを知るからこそ、過酷なスケジュールも苦にならない。昨年から何本もの作品を抱えている。「友達にも会えなくて、家に帰ってくると部屋が真っ暗で電気つけることも1か月くらいない」。それでも「ストレス0。胃とかすごいきれいですよ。脳と心は知りませんけど、体は元気なのでやれるうちにやり尽くしたい」と言い切る。

 生涯俳優を貫く。「なんでも出来る世界。夢だらけだと思うんですよ。今はみんな現実ばっか見たがるから、現実ばっか突きつけてる。でも計り知れないほどのロマンがある世界だから、そういうのを体現していきたい」。目下のロマンの行方は海の向こうだ。「いつかハリウッドで『007』のジェームズ・ボンドをやりたい。似合う年齢までの間、もっといろいろやりたい」。カメレオン俳優の野望は果てしなく大きい。(浦本 将樹)

 ◆菅田 将暉(すだ・まさき)1993年2月21日、大阪府生まれ。24歳。2009年、テレビ朝日系「仮面ライダーW」の主役で俳優デビュー。13年、映画「共喰い」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。今年6月にはシングル「見たこともない景色」で歌手デビュー。米津玄師と共演した「灰色と青」がヒット中。現在放送中のNHK大河ドラマ「直虎」に井伊直政役で出演。来年4月、映画「となりの怪物くん」に主演する。身長176センチ。

 ◆「キセキ―あの日のソビト―」 松坂桃李と菅田のW主演でボーカルグループ「GReeeeN」の代表曲「キセキ」の誕生秘話を描く。音楽への夢が破れたジン(松坂)は歯科大生の弟・ヒデ(菅田)とその仲間たちをプロデュース。自身の夢を託す。

 ◆「帝一の國」 赤場帝一(菅田)は日本一の超名門校・海帝高校に首席入学。「総理大臣になって、自分の国を作る」という夢の実現のため、時には先輩の靴をなめるという壮絶な生徒会選挙を繰り広げる。

 ◆「あゝ、荒野」 寺山修司の小説を2021年の新宿を舞台に映画化。自分を捨てた母親を憎む新次(菅田)と吃音(きつおん)と、赤面対人恐怖症に悩む建二(ヤン・イクチュン)が、元ボクサーの堀口(ユースケ・サンタマリア)の誘いでボクシングに出会い、プロを目指す。

 ◆「火花」 芽が出ないお笑い芸人の徳永(菅田)は先輩芸人・神谷(桐谷健太)と出会う。徳永は神谷の奇想な芸風と人間味にひかれ、弟子に。毎日のように飲みに出かけて芸の議論を交わしていたが、2人の間に意識の違いが生まれ始める。

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