【報知映画賞】助演男優賞・役所広司、3度目の栄冠に「次もこの場に立てれば」

2017年12月21日7時0分  スポーツ報知
  • 平岳大(左)から花束をもらい、ほほ笑む役所広司

 「第42回報知映画賞」の表彰式が20日、東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京で開催された。「三度目の殺人」「関ヶ原」で怪演を見せ、3度目の受賞となる役所広司(61)が助演男優賞を受賞した。

 過去2度は主演賞。20年ぶり3度目の栄冠は初の助演男優賞。「前に頂いた2つのブロンズ像は事務所に置いてある。これも並べます。でもこれが一番重いんじゃないかな」じんわり喜びをかみしめる表情を見せた。

 役所らしい優しさが、垣間見える場面があった。3・5kgと映画賞で最も重いといわれる報知映画賞のブロンズ像。選考委員の渡辺祥子さんから渡されようとしたとき。軽々とは運べない。普通、もらい受ける形だが、ズシリとした重みを熟知している人だ。落下したら大変。役所は気遣って、渡辺氏の方に自ら先に腕を伸ばし、像を手にした。

 「才能ある監督との出会いが、僕をここに導いてくれた。自分はラッキーな男」と謙遜し、主演俳優にも感謝。が、誰もラッキーとは思う人はいない。紛れもなく、抜きんでた実力だ。その証拠に、強烈な個性を放つ徳川家康を演じた「関ヶ原」と、死刑囚の良心、心の闇まで表現した「三度目の殺人」の出演シーンが数十秒流れただけで、圧巻の演技は会場内の空気を一変させた。

 意外なことが苦手だった。「映像ね…。ドキドキしちゃって。自分の出てるところって全然見られないんですよ。いつも見るのは初号(完成後の最初の関係者試写)だけ。編集されているから心配いらないんだけど、見ていると自分がトチらないかすごく気になってきて、緊張ちゃって。ダメなんですよね」

 邦画界を代表する俳優だが、久々の報知映画賞。20年間に、表彰式も様変わりした。「前って円卓でやってました? なかったですよね。もっとシンプルだったような。何だかアカデミー賞っぽくっなっていたので、びっくりしましたよ」

 役所といえば、いま、老舗足袋店「こはぜ屋」の社長を好演し、感動を呼んでいる人気ドラマ「陸王」(TBS系、日曜・後9時)に主演中。24日が最終回だが、収録は22日まである。この日も、その合間を縫っての出席だった。

 「久しぶりのドラマで撮影はとてもハードでした。でも放送の度に共演者やスタッフとも士気が高まり、映画とはまた違った一体感も生まれて。大変でしたが、やって良かったですよ」。別の受賞者のゲストで、ピエール瀧の姿も。ご存じこの2人、ドラマではランニングシューズの開発を巡って「こはぜ屋VSアトランティス」のバチバチ対決を展開中。でも会場では、一緒に写真撮影に参加するなど仲良く、談笑する光景があった。

 来年5月には、「孤狼の血」(柚月裕子作、白石和弥監督)の公開が控える。がらりとタイプの違う役だ。暴力団と戦う刑事を迫真演技で見せており、こちらも注目を集めそう。「ぜひ来年もこういう場に来られるといいな、と思っていますよ」。再び映画の虫に。静かな口調の中に、少し本心をのぞかせた。(内野 小百美)

 ◆役所 広司(やくしょ・こうじ)1956年1月1日、長崎県生まれ。61歳。区役所勤務を経て仲代達矢主宰の「無名塾」に入塾。報知映画賞は96年「Shall we ダンス?」、97年「失楽園」「うなぎ」で2年連続の主演男優賞。息子の橋本一郎も俳優。

 ◆「関ヶ原」 司馬遼太郎の小説が原作。豊臣秀吉亡き後の天下をめぐり、徳川家康(役所広司)を総大将とする東軍、石田三成(岡田准一)率いる西軍が激突した1600年の関ヶ原の戦いを描く。原田眞人監督。

 ◆「三度目の殺人」 是枝裕和監督の法廷サスペンス。殺人の前科がある三隅(役所広司)は解雇された食品工場の社長の殺害容疑で起訴される。死刑確実とされる中、担当弁護士となった重盛(福山雅治)はなんとか無期懲役にしようと事件を洗い直すが…。

 〇…役所に花束を渡したのが「関ヶ原」で敵方の島左近を演じた平岳大(43)。平も助演男優賞でノミネートされていた。「それを見た時は0.1秒だけ歴史がひっくり返るのではと思った。今日こういう形で来られて光栄」と自身の励みにもなった様子だった。

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