オカダ・カズチカが変わった! 3864人大ウケのマイクパフォーマンスに見たエースの自覚

2018年3月7日14時0分  スポーツ報知
  • 6日の旗揚げ記念日大会で快勝したオカダ・カズチカ。団体の屋台骨としての自覚も見せつけた

 オカダ・カズチカ(30)が一皮むけた。新日本プロレスにカネの雨を降らせる「レインメーカー」として現在のマット界NO1の人気者が、目の前でエースとしての自覚を見せてくれた。

 6日、東京・大田区総合体育館に満員札止め3864人の大観衆を集めて行われた、新日の「旗揚げ記念日」大会。新日は46年前の1972年3月6日に同体育館で旗揚げ。メインイベントでは団体を創設したエース・アントニオ猪木が伝説のレスラー・カール・ゴッチと一騎打ち。フォール負けを喫している。

 毎年、団体誕生の記念日に“聖地”で開催される大会のメインイベント。新日最強のIWGPヘビー級王者・オカダはこの日、2年前の3月に自らのスカウトで英国から招聘(しょうへい)し、今やIWGPジュニアヘビー級王者に育て上げた“弟分”ウィル・オスプレイ(24)と対戦した。

 試合はオスプレイの変幻自在の空中殺法に苦しめられる場面もあったが、25分25秒、必殺のレインメーカーでオカダが圧勝。体重差もあり、ここまでは観客も納得の内容だったが、そこからがひと味違った。

 試合後、満場の観客にオスプレイの健闘を褒めたたえる拍手を要求。やっと立ち上がったオスプレイと抱き合う場面もあった。この日は2011年の凱旋(がいせん)帰国以来、常にマネジャー役として付き添い、マイクパフォーマンスを「レインメーカーはレェェェヴェルが違うんだよ!」という名ゼリフで締めくくってくれていた外道(49)が不在。しかし、「今日は外道さんがいませんが…」と観客をクスッと笑わせたオカダは「3つ言わせて下さい!」と、いつも通りパフォーマンス開始。

 「一つ、オスプレイ、やっぱり、オマエは最高だな。レスラーとしても大好きだし、弟分としても大好きだよ。コノヤロー」と絶叫。「二つ、おかげさまで新日本プロレス、46周年を迎えることができました。明日から47周年ですが、棚橋(弘至)? 違うなあ。内藤(哲也)? 違うなあ。ケニー・オメガ? 違うなあ。やっぱり、新日はオカダに任せて下さい。カネの雨を降らせますから」。最後に「三つ、特にありません」と、いつものオチで3864人を爆笑させた。

 大事なのは「二つ」目のセリフだ。ここまで新日の最高峰・IWGPヘビーを10回連続防衛。故・橋本真也さんの持つ最長保持期間記録を更新。棚橋弘至(41)の持つ連続防衛記録11にもあと一つと迫っている最強王者・オカダだが、団体内の存在感は胸を張って「エース」と言い切れないものだった。

 オカダ本人が「エースを名乗っている人は他にいますから…」と話したこともあった通り、今だ抜群の存在感を持つのは、この10年の新日を支え続けてきた棚橋であり、大人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を率いる内藤哲也(35)だった。

 団体の宣伝活動、話題作りの先頭に立ってきたのも棚橋や内藤。リング外ではどこか年長の2人の影に隠れた“次男坊”的な立ち位置がオカダの定位置だった。ここ半年、リング上でも対戦相手への判官びいきのコールの大きさが目立ち始めた。「僕が強過ぎるだけですから、全く気になりません」と言い続けてきたが、「ただ強いだけ」―。もっと踏み込んで言えば、「団体に押されているチャンピオン」という自分の立ち位置への苛立ちも心の中には生まれつつあったのではないか。

 そんなレインメーカーが吹っ切れたように見せつけた、この夜の“聖地”でのマイクパフォーマンス。そこには46周年以降の、これからの新日を背負うことへの覚悟まで透けて見えた。

 さらに取材陣が待ち受けたバックステージでもオカダは変わった。まず、汗まみれの顔で「おっ、今日はマスコミが多いなあ」と満足げなつぶやき。続いて、「オスプレイは、やっぱりかわいいですよ。プロレスへの愛情もオカダへの愛情も感じたので、僕もしっかり愛で返しました」と笑った後、「日本に連れてきたかいがあったな。大成功して欲しいっていう思いがありましたから」と、プロモーター的な顔まで見せた。

 その上で「46周年という1度しかない貴重な大会でオスプレイと2人で試合できたのは良かったと思います。オカダとオスプレイがいれば大丈夫。そのくらいの2人がそろっているから、これからも新日は大丈夫です」と、団体のこれからも見据えた上で「僕はもっともっと先を見ていきたい」と言い切った。

 1月4日、新日最大の大会「WRESTLE KINGDOM12」で東京ドームに3万4995人の大観衆を集める原動力となったスーパースターに、ついに芽生えた団体の屋台骨としての自覚。強いだけじゃないオカダ・カズチカから、もう目が離せない。(記者コラム・中村 健吾)

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