東日本大震災から7年…仙女の新人・佐藤亜海が3・11新宿大会に出場

スポーツ報知
3・11恒例の仙女・新宿大会に出場する、気仙沼市出身の佐藤亜海

 センダイガールズプロレスリング(仙女)の新人で、宮城・気仙沼市出身の佐藤亜海(あみ、19)が、東日本大震災から7年となる11日、東京・新宿FACE大会「あの日を忘れない」(午後6時30分開始)に出場する。

 仙女の3・11新宿大会は、2015年から4年連続。佐藤は、団体代表の里村明衣子(38)、中学1年生の愛海(13)とタッグを組み、他団体のアジャ・コング(47)、志田光(29)、桃野美桜(19)組と対戦する。

 「震災をきっかけにプロレスが好きになっんですけど、まさか自分が3・11のリングに立つとは思わなかった」。昨年9月のデビュー後、初めて迎える3・11は、佐藤にとって特別な意味を持つ。7年前のこの時期は、中学に上がる直前。気仙沼市で父親が営む理髪店は津波で流され、自宅も床上まで水に浸かった。「同級生にも、お母さんが亡くなったり家が流された子がいた。正直、これからどうなっていくんだろうという不安が大きかった…」。失意の時を過ごしたが、2年後に地元で開催された男子プロレスのチャリティー大会を見て「自分も人を元気にしたい」という思いが募った。そして、高校を卒業した昨春、サッカー少女は仙女の門をたたいた。「気仙沼の友人も『応援してるよ』と言ってくれます」

 現在は、手工芸などの創作活動を通じて患者の身体機能の回復を図る「作業療法士」の資格取得を目指して専門学校に通いながら、プロレスとの二刀流に挑戦中。「(4月から)2年生になると、学校の実習が増える。練習時間や試合数は減るかも知れない」と不安もあるが「いろんな選手と闘って自分の経験値を上げて、体も技も向上させたい」と抱負を述べる。

 11日は、昼間に他団体の都内での試合に出場した後、夜に仙女の新宿大会へ駆けつける。1日2試合の過酷なスケジュールとなるが「今まで助けてくださった方々への感謝の気持ちを持って、アジャさんのような大きくて強い選手にやられても立ち向かう姿を、お客様に見せたいです」。プロレスラーとしての技量はまだまだだが、闘う姿勢で自身を表現する。

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